神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

もっと事情を知っている人?

「…ナジュ、どういうことだ?」

「ツキナさんですよ。彼女が何か知ってるかもしれません」

…そうだ。

ツキナ・クロストレイ…令月とすぐりが所属している、園芸部の部長。

びっくり箱の中に入っていたチョコは、ツキナにあげたって、置き手紙に書いてあったな。

そのツキナなら、何か知ってるかも。

「よし…今すぐ聞いてみよう」

「僕も同行します」

出来ればみんなで聞きに行きたいところだが、教師全員で押し寄せたら、ツキナを怯えさせてしまうだろうからな。

俺はナジュと共に、二人でツキナのもとに向かった。




…丁度休憩時間に訪ねた為、ツキナは、教室の中でクラスメイトとお喋りしているところだった。

…しかも、チョコを食べながら。

…あれ、多分令月とすぐりが持っていった、キャラメルトリュフチョコだな。

それをツキナは、クラスメイトに配って一緒に食べていた。

「ツキナさん、ちょっと良いですか?」

「ふぇっ!?」

ナジュが声をかけると、ツキナは愕然と目を見開いた。

「か…か、か、隠せーっ!チョコを隠せーっ!」

ツキナと、その周りのクラスメイトは、俺達の姿を見てチョコレートを隠そうとしたけど。

…もうばっちり見ちゃったから、別に隠さなくても良いぞ。

それに、今はそれどころじゃないからな。

ナジュも、そこのところは分かっているようで。

微笑んで、ツキナに話しかけた。

「良いですよ、隠さなくて。それすぐりさんからもらったんでしょう?」

「は、はい…」

「良かったですね。美味しいですか?」

「はい!すっごく美味しいです!」

そこは素直なんだな。

良いよ。生徒が美味しく食べてくれたなら、チョコを奪われたシルナも喜ぶことだろう。