イレースは一週間前のキルディリア魔王国軍の襲撃の際。
敵魔導師と戦って、魔力を限界まで消費してしまったそうだ。
傍で一部始終を見ていた天音は、「あんな無茶をするなんて」と嘆いていた。
しかし、当のイレースは、相変わらず気丈であった。
死ぬほど疲れているはずなのに、ちゃんと自分の足で歩き、「疲れた」なんて一言も言わない。
放っておいたら、また何事もなかったみたいに職員室にこもって、仕事を始めかねない。
天音によってドクターストップが出され。
イレースは、医務室のベッドで天音に看病されている次第である。
天音曰く、イレースは三日ぐらいまるまる寝込み続けたそうだ。
一度に大量の魔力を消費してしまったら、そりゃそうなる。
今が冬休み中で、本当に良かった。
もし、いつも通り授業がある時だったら、イレースは無理を押して授業に出ていただろうから。
頼むから、こんな時くらい大人しくしててくれ。
イレースは普段、働き過ぎなんだよ。
シルナの20倍くらい働いてる。
たまにはゆっくり休んでくれ。シルナに仕事を押し付けて良いから。
「…何だか、羽久がじんわりと私に失礼なことを考えてる気がする…」
「それよりシルナ。お前、その手に持ってるものは何なんだ?」
「え?チョコケーキ!」
シルナは満面の笑みで答えた。
…あ、そう。
聞かなきゃ良かったと、今俺は心の底からそう思ってるよ。
「冬季限定、3層の濃厚チョコレートザッハトルテなんだ!」
「…ふーん…」
「生地にもチョコがたっぷり、更にチョコクリームを挟んで、グラサージュにもチョコをたっぷりと使った、贅沢なザッハトルテなんだ!」
「いや、聞いてないけど…」
「あぁ美味しそう!想像するだけでお腹空いてきちゃうよね!」
じゅるっ、と涎を啜るシルナ。
お行儀が悪い。
「これを食べれば、イレースちゃんもあっという間に元気になるよ!」
「…なるか…?」
「ってことで、お見舞い!お邪魔しまーす!イレースちゃん元気ーっ?」
俺の冷静なツッコミも聞かず、シルナはケーキ片手に、にっこにこで医務室を訪ねた。
すると、そこには先客がいた。
「あ、ナジュ…。それに天音も」
「あぁ、お二人共。来たんですね」
「いらっしゃい」
ナジュと天音の二人が、イレースのベッドの傍らの丸椅子に座っていた。
そして、そのベッドの上には。
「…相変わらず喧しいですね。医務室では静かにしなさい」
イレースが、じろりとシルナを睨んだ。
おぉ…。その毒舌、今ばかりは安心したぞ。
敵魔導師と戦って、魔力を限界まで消費してしまったそうだ。
傍で一部始終を見ていた天音は、「あんな無茶をするなんて」と嘆いていた。
しかし、当のイレースは、相変わらず気丈であった。
死ぬほど疲れているはずなのに、ちゃんと自分の足で歩き、「疲れた」なんて一言も言わない。
放っておいたら、また何事もなかったみたいに職員室にこもって、仕事を始めかねない。
天音によってドクターストップが出され。
イレースは、医務室のベッドで天音に看病されている次第である。
天音曰く、イレースは三日ぐらいまるまる寝込み続けたそうだ。
一度に大量の魔力を消費してしまったら、そりゃそうなる。
今が冬休み中で、本当に良かった。
もし、いつも通り授業がある時だったら、イレースは無理を押して授業に出ていただろうから。
頼むから、こんな時くらい大人しくしててくれ。
イレースは普段、働き過ぎなんだよ。
シルナの20倍くらい働いてる。
たまにはゆっくり休んでくれ。シルナに仕事を押し付けて良いから。
「…何だか、羽久がじんわりと私に失礼なことを考えてる気がする…」
「それよりシルナ。お前、その手に持ってるものは何なんだ?」
「え?チョコケーキ!」
シルナは満面の笑みで答えた。
…あ、そう。
聞かなきゃ良かったと、今俺は心の底からそう思ってるよ。
「冬季限定、3層の濃厚チョコレートザッハトルテなんだ!」
「…ふーん…」
「生地にもチョコがたっぷり、更にチョコクリームを挟んで、グラサージュにもチョコをたっぷりと使った、贅沢なザッハトルテなんだ!」
「いや、聞いてないけど…」
「あぁ美味しそう!想像するだけでお腹空いてきちゃうよね!」
じゅるっ、と涎を啜るシルナ。
お行儀が悪い。
「これを食べれば、イレースちゃんもあっという間に元気になるよ!」
「…なるか…?」
「ってことで、お見舞い!お邪魔しまーす!イレースちゃん元気ーっ?」
俺の冷静なツッコミも聞かず、シルナはケーキ片手に、にっこにこで医務室を訪ねた。
すると、そこには先客がいた。
「あ、ナジュ…。それに天音も」
「あぁ、お二人共。来たんですね」
「いらっしゃい」
ナジュと天音の二人が、イレースのベッドの傍らの丸椅子に座っていた。
そして、そのベッドの上には。
「…相変わらず喧しいですね。医務室では静かにしなさい」
イレースが、じろりとシルナを睨んだ。
おぉ…。その毒舌、今ばかりは安心したぞ。


