「さぁ、いい加減わらわの手を取るのじゃ」
「…」
シルナは、負傷した俺を庇いながら、イシュメル女王と向き合った。
まさか…女王が自ら、ここまでやって来るなんて。
…情けない。俺が、こんな下らないことで怪我をしていなければ…。
「賢いおぬしなら、もう分かっておるじゃろう」
イシュメル女王は、シルナに手を差し伸べながら言った。
「ここでおぬしが断れば、どうなるかということを」
「…」
…何だと?
「先程の地震も、この建物を覆う壁も、わらわの軍が起こしたものじゃ。気づいているじゃろう?」
「…勿論」
この女、いけしゃあしゃあと…。
「お前…ふざけるなよ。こんなことして、ただで済むと…!」
「それを決めるのはわらわじゃ。今のおぬしらに何が出来る?」
「…」
それを言われると…言い返す言葉がないが。
「壁の外では、わらわの軍指折りの魔導師達が、おぬしらの仲間を襲撃しているはずじゃ」
「…っ、お前…!」
イレースや天音やナジュ達に、何を。
まさか…あいつらを。
俺は怒りのあまり、一瞬痛みを忘れ、イシュメル女王に食ってかかった。
もう、相手が他国の女王だとか、そんなことは関係ないし、どうだって良かった。
「おぬしらの仲間は強い。それは認めよう。だが、所詮は個人の強さよ。魔力も体力は無限ではないし、そして魔法は万能ではない」
「…」
「軍という単位で攻められれば、いずれは落ちる。おぬしらに抗う術はない」
言い返せなかった。
確かに、俺の仲間達は強い。
俺は今…情けなくも本棚に押し潰されて、怪我をしてみっともない姿を晒しているが。
仲間達はきっと、この高い壁の外で戦っているはずだ。
彼らが今…どんな敵と、どんな魔法を使う敵と戦っているのか。
もしかしたら…窮地に陥っているかもしれない。
一対一の戦いであれば、彼らが負けるとは思わない。
だけど…もし、敵の魔導師に束になってかかってこられたら。
イシュメル女王の言う通り、魔力も体力も、そして気力も…無限に続くものじゃない。
果たして、いつまで持ち堪えられるか。
もし彼らに限界が来てしまった時、どうなるのか。
それを考えると、俺は自分の命が失われることよりも遥かに恐ろしかった。
…それだけは、絶対に駄目だ。
そしてシルナもまた、俺と同じことを考えているはずだった。
「…」
シルナは、負傷した俺を庇いながら、イシュメル女王と向き合った。
まさか…女王が自ら、ここまでやって来るなんて。
…情けない。俺が、こんな下らないことで怪我をしていなければ…。
「賢いおぬしなら、もう分かっておるじゃろう」
イシュメル女王は、シルナに手を差し伸べながら言った。
「ここでおぬしが断れば、どうなるかということを」
「…」
…何だと?
「先程の地震も、この建物を覆う壁も、わらわの軍が起こしたものじゃ。気づいているじゃろう?」
「…勿論」
この女、いけしゃあしゃあと…。
「お前…ふざけるなよ。こんなことして、ただで済むと…!」
「それを決めるのはわらわじゃ。今のおぬしらに何が出来る?」
「…」
それを言われると…言い返す言葉がないが。
「壁の外では、わらわの軍指折りの魔導師達が、おぬしらの仲間を襲撃しているはずじゃ」
「…っ、お前…!」
イレースや天音やナジュ達に、何を。
まさか…あいつらを。
俺は怒りのあまり、一瞬痛みを忘れ、イシュメル女王に食ってかかった。
もう、相手が他国の女王だとか、そんなことは関係ないし、どうだって良かった。
「おぬしらの仲間は強い。それは認めよう。だが、所詮は個人の強さよ。魔力も体力は無限ではないし、そして魔法は万能ではない」
「…」
「軍という単位で攻められれば、いずれは落ちる。おぬしらに抗う術はない」
言い返せなかった。
確かに、俺の仲間達は強い。
俺は今…情けなくも本棚に押し潰されて、怪我をしてみっともない姿を晒しているが。
仲間達はきっと、この高い壁の外で戦っているはずだ。
彼らが今…どんな敵と、どんな魔法を使う敵と戦っているのか。
もしかしたら…窮地に陥っているかもしれない。
一対一の戦いであれば、彼らが負けるとは思わない。
だけど…もし、敵の魔導師に束になってかかってこられたら。
イシュメル女王の言う通り、魔力も体力も、そして気力も…無限に続くものじゃない。
果たして、いつまで持ち堪えられるか。
もし彼らに限界が来てしまった時、どうなるのか。
それを考えると、俺は自分の命が失われることよりも遥かに恐ろしかった。
…それだけは、絶対に駄目だ。
そしてシルナもまた、俺と同じことを考えているはずだった。


