「お前を探しに、助ける為に来たんだよ。お前が居なきゃ、ベリクリーデが悲しむから。だから…!」
だから、その為に命まで懸けて、今、ここにいるんじゃないか。
それを何だ。探された張本人が、助けられた張本人が、「逃げろ」だと?
「お前を連れてじゃなきゃ、俺は絶対に逃げないし、一歩も引かないからな。人間様の執念深さってものを甘く見るなよ!」
「…ジュリス…」
クロティルダは珍しく驚いた顔で、俺を見つめていた。
天使であるお前の目から見たら、こんな馬鹿馬鹿しいことに意地を張っている俺は、愚かに見えるんだろうな。
だが、馬鹿なのも、愚かなのもまた人間だから。
愚かだからゆえ、この意地を貫かせてもらうぞ。
それに。
「…私も逃げないよ。クロティルダ」
ベリクリーデも、はっきりとそう言った。
「クロティルダが私のこと助けてくれたように、私もクロティルダのこと助けるから」
…よく言った、ベリクリーデ。
「…そうか。分かった」
俺とベリクリーデの決意を、クロティルダは理解してくれた。
「聞いたな、ケルディーサ。俺は彼らと共に帰らなければならない」
「…行かせると思うの?私が」
「いいや。だが、出来れば穏便に済ませたい。天使同士の争いなど不毛だ」
その通り。
ケルディーサも、クロティルダと同じくらい物分かりが良かったら良いんだが…。
「そうね。私も嫌よ。…可愛い弟を、二度もこの手で斬らなきゃいけないなんて」
じゃあ斬らずに引き下がってくれよ。畜生。
やる気満々じゃないか。
「あなたは私には勝てないわ。もう一度、あなたを眠らせてあげる…!」
来るぞ。
何とか俺も、への突っ張りでも良い。クロティルダに加勢を…。
と、思ったが。
「クロティルダ」
ベリクリーデが、クロティルダに向かってスッ、と手を伸ばした。
途端に、クロティルダの身体が柔らかな、白い光に包まれた。
…これは…?
「ベリクリーデ、お前、何を…。…!」
ベリクリーデの白い光に包まれると同時に、クロティルダの魔力が強く、強く力を増した。
まさかベリクリーデは…クロティルダの魔力を、強化しているのか?
「お前、いつの間にそんな芸当を…!」
コソ練か?コソ練してたのか?
俺に隠れて、こっそり強化魔法の練習を…。
「…?クロティルダ頑張って、負けないでって思ったら、出来た」
「…ぶっつけ本番なのかよ…」
そうだった。ベリクリーデは、奇跡的なレベルのぶきっちょなんだった。
コソ練じゃなくて、ただの火事場の馬鹿力みたいなもんだった。
だが、コソ練の結果だろうが、火事場の馬鹿力だろうが関係ない。
クロティルダの力は、先程までとは比べ物にならないほど強くなっていた。
それは、ケルディーサの魔力を遥かに凌駕するほどに。
「…っ、神の力を使ったか。生贄ごときが、忌々しい…!」
…見苦しいぞ、ケルディーサ。
一気に形勢逆転、だな。
「お前などに、私の弟は渡さない…!」
「私はあなたの弟じゃなくて、クロティルダが欲しいの。だから…私は引き下がらないよ」
ベリクリーデは更に、クロティルダの魔力を強化した。
だから、その為に命まで懸けて、今、ここにいるんじゃないか。
それを何だ。探された張本人が、助けられた張本人が、「逃げろ」だと?
「お前を連れてじゃなきゃ、俺は絶対に逃げないし、一歩も引かないからな。人間様の執念深さってものを甘く見るなよ!」
「…ジュリス…」
クロティルダは珍しく驚いた顔で、俺を見つめていた。
天使であるお前の目から見たら、こんな馬鹿馬鹿しいことに意地を張っている俺は、愚かに見えるんだろうな。
だが、馬鹿なのも、愚かなのもまた人間だから。
愚かだからゆえ、この意地を貫かせてもらうぞ。
それに。
「…私も逃げないよ。クロティルダ」
ベリクリーデも、はっきりとそう言った。
「クロティルダが私のこと助けてくれたように、私もクロティルダのこと助けるから」
…よく言った、ベリクリーデ。
「…そうか。分かった」
俺とベリクリーデの決意を、クロティルダは理解してくれた。
「聞いたな、ケルディーサ。俺は彼らと共に帰らなければならない」
「…行かせると思うの?私が」
「いいや。だが、出来れば穏便に済ませたい。天使同士の争いなど不毛だ」
その通り。
ケルディーサも、クロティルダと同じくらい物分かりが良かったら良いんだが…。
「そうね。私も嫌よ。…可愛い弟を、二度もこの手で斬らなきゃいけないなんて」
じゃあ斬らずに引き下がってくれよ。畜生。
やる気満々じゃないか。
「あなたは私には勝てないわ。もう一度、あなたを眠らせてあげる…!」
来るぞ。
何とか俺も、への突っ張りでも良い。クロティルダに加勢を…。
と、思ったが。
「クロティルダ」
ベリクリーデが、クロティルダに向かってスッ、と手を伸ばした。
途端に、クロティルダの身体が柔らかな、白い光に包まれた。
…これは…?
「ベリクリーデ、お前、何を…。…!」
ベリクリーデの白い光に包まれると同時に、クロティルダの魔力が強く、強く力を増した。
まさかベリクリーデは…クロティルダの魔力を、強化しているのか?
「お前、いつの間にそんな芸当を…!」
コソ練か?コソ練してたのか?
俺に隠れて、こっそり強化魔法の練習を…。
「…?クロティルダ頑張って、負けないでって思ったら、出来た」
「…ぶっつけ本番なのかよ…」
そうだった。ベリクリーデは、奇跡的なレベルのぶきっちょなんだった。
コソ練じゃなくて、ただの火事場の馬鹿力みたいなもんだった。
だが、コソ練の結果だろうが、火事場の馬鹿力だろうが関係ない。
クロティルダの力は、先程までとは比べ物にならないほど強くなっていた。
それは、ケルディーサの魔力を遥かに凌駕するほどに。
「…っ、神の力を使ったか。生贄ごときが、忌々しい…!」
…見苦しいぞ、ケルディーサ。
一気に形勢逆転、だな。
「お前などに、私の弟は渡さない…!」
「私はあなたの弟じゃなくて、クロティルダが欲しいの。だから…私は引き下がらないよ」
ベリクリーデは更に、クロティルダの魔力を強化した。


