「…マシュリさん。あなたの目から見て、アーリヤット皇国の勝算はどれくらいでしょう?」
この場で唯一、アーリヤット皇国の国力をよく知っているマシュリに、シュニィが尋ねた。
…アーリヤット皇国とキルディリア魔王国の戦争。果たしてどちらが勝つのか…俺達も気になるところだ。
もしかしたら、どちらかの国が勝てば、もう片方はこの世界から消えてしまうかもしれないのだから…。
マシュリは、難しそうに考え。
それから、重い口を開いた。
「…確かなことは言えない。僕はキルディリア魔導師軍の兵力を詳しく知らないから…」
…そうだよな。
ナツキ様はルーデュニア聖王国ばかりを警戒して、キルディリア魔導師軍にはそれほど注意を払っていなかった。
『HOME』のイチ軍属魔導師に過ぎないマシュリが、キルディリア魔導師軍について詳しく知らされていたとは思えない。
「だけど…今はハクロとコクロ…ナツキ皇王の懐刀二人がいない」
「そうだな」
ハクロとコクロ…ミカエルとラファエルは、天使仲間であるリューイによって、正体を暴かれ。
今頃は、天界に戻っているはず。
あれから音沙汰ないけど、リューイもそのご主人様も、仲間のミカエル達も、どうしているのやら…。
ともかく、ナツキ様の懐刀だった二人の臣下が、今、アーリヤット皇国にいないのは確かだ。
二人を失ったのが、ナツキ様にとって大きな損失であることは間違いない。
それに、今や『HOME』には、マシュリも、それにネクロマンサーのルディシアもいない。
ナツキ様はシルナと違って、仲間を大事にしない人だった。
そういうところが、危機に陥った時に仇となる。
こう言っちゃ悪いが、ナツキ様に本気で忠誠心を誓う臣下がどれだけいるか。
「今の『HOME』には、魔導大国の軍勢を押し返す力があるとは思えない」
マシュリは、きっぱりとそう言った。
この場で唯一、アーリヤット皇国の国力をよく知っているマシュリに、シュニィが尋ねた。
…アーリヤット皇国とキルディリア魔王国の戦争。果たしてどちらが勝つのか…俺達も気になるところだ。
もしかしたら、どちらかの国が勝てば、もう片方はこの世界から消えてしまうかもしれないのだから…。
マシュリは、難しそうに考え。
それから、重い口を開いた。
「…確かなことは言えない。僕はキルディリア魔導師軍の兵力を詳しく知らないから…」
…そうだよな。
ナツキ様はルーデュニア聖王国ばかりを警戒して、キルディリア魔導師軍にはそれほど注意を払っていなかった。
『HOME』のイチ軍属魔導師に過ぎないマシュリが、キルディリア魔導師軍について詳しく知らされていたとは思えない。
「だけど…今はハクロとコクロ…ナツキ皇王の懐刀二人がいない」
「そうだな」
ハクロとコクロ…ミカエルとラファエルは、天使仲間であるリューイによって、正体を暴かれ。
今頃は、天界に戻っているはず。
あれから音沙汰ないけど、リューイもそのご主人様も、仲間のミカエル達も、どうしているのやら…。
ともかく、ナツキ様の懐刀だった二人の臣下が、今、アーリヤット皇国にいないのは確かだ。
二人を失ったのが、ナツキ様にとって大きな損失であることは間違いない。
それに、今や『HOME』には、マシュリも、それにネクロマンサーのルディシアもいない。
ナツキ様はシルナと違って、仲間を大事にしない人だった。
そういうところが、危機に陥った時に仇となる。
こう言っちゃ悪いが、ナツキ様に本気で忠誠心を誓う臣下がどれだけいるか。
「今の『HOME』には、魔導大国の軍勢を押し返す力があるとは思えない」
マシュリは、きっぱりとそう言った。


