ーーーーー…私は、祭壇の上のクロティルダに向かって走った。

背後から、ジュリスとケルディーサがぶつかり合う、激しい轟音が響いていた。

「…クロティルダ…」

ようやく祭壇に辿り着いた私は、クロティルダの名前を呼んだ。

「クロティルダ、起きて…。クロティルダ」

名前を呼んで、肩を揺すっても。

クロティルダの両目は、固く閉じられたままだった。

…起きてくれない。

「…クロティルダ…」

…ごめんね。

私の為に頑張ってくれたんだよね。ずっと。

ありがとう。

…でも、だからこそごめんね。

やっと思い出したよ。私。

「クロティルダ…。私、君のことずっと一人ぼっちにして…」

クロティルダが私にしてくれたこと。ずっと、私を想っててくれたこと。

大切にしてくれていたこと…全部、踏みにじって。

クロティルダを置き去りにして…私は、一人で…。

「ごめんね…」

許して、なんて私には言えないけど。

でも、だけど、今こうして再び会えたからには。

「クロティルダ…」

私は、クロティルダの手をぎゅっと握った。

お願い。

お願いだから。

「目を覚まして。私を…一人にしないで」

…私が、そう言った瞬間。

私の手から伝わる、淡く、優しい白い光が。

クロティルダの身体を、繭のように包みこんだ。

そして。

「…えっ…!」

「…すまない、待たせたな」





気がつくと、私はクロティルダの腕に、お姫様抱っこされていた。

…ほぇー。