神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

「私の邪魔をするなら、誰であっても容赦しないわ」

そうか。

どうやら…交渉の余地はなさそうだ。

こうなったら…。

俺は『魔剣ティルフィング』を構えた。

そして、ベリクリーデに言った。

「ベリクリーデ、俺が時間を稼ぐ」

「えっ」

「だからお前は、あの寝坊助クロティルダを起こしてこい」

出来れば、俺がぶん殴って起こしてやりたいところだが。

今は勘弁してやるよ。緊急時だからな。

「…うん、分かった」

「急いでくれよ。出来るだけ」

「任せて」

よし。任せる。

ベリクリーデは、クロティルダの眠る祭壇に向かって走り出した。

「行かせないわよ、生贄の小娘…!」

「お前の相手は俺だ」

ケルディーサが放った蛇腹剣の一撃を、俺は『魔剣ティルフィング』で受け止めた。

…なんて重い一撃。

「…人間。あなた、私に勝てるとでも思ってるの?」

「さぁな。別に勝つつもりはねぇよ」

ベリクリーデがクロティルダを起こすまで、時間を稼げればそれで良い。

相手は天使だ。

まともにやり合って、勝てるはずがないし。

だから、最初から全力だ。

「…ティルフィング、全力で行くぞ」

俺は『魔剣ティルフィング』に、ありったけの魔力を注ぎ込んだ。

「…良いわ、人間。身の程と言うものを分からせてあげる」

「人間様の底力、舐めるなよ…!」

人間は、追い詰められれば追い詰められるほど、強い力が出せるんだってことを教えてやる。