神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

「…」

俺は、無言でベリクリーデの指差す方向…上…を見上げた。

今日は良い天気だなぁ。

雲一つない青空だ。

今日は空が綺麗だよ、って。ベリクリーデはきっと、それを言いたかったんだな。うん。

そうに違いない。

…で、話を戻すとして。

「ベリクリーデ。クロティルダは何処だ?」

「あっち」

と言って、相変わらず上を指差すベリクリーデ。

…ふーん…。

「…って、何で空…!?何処だよ!?」

何もないぞ、空。

「まさか宇宙、とか言わないよな?雲の上か?それともまた…冥界とか?そういうことなのか?」

「んー…?…分かんない」

ベリクリーデに理論的な説明を求めた俺が馬鹿だった。

「でも、あっちなの」

「…ふーん…」

…そうか。

それはアレか…。もしかして、天使達の住む場所…天界、とかなのか。

だとしたら、さすがに俺達には辿り着けない。

どうすべきなのか…。

「よーし、行ってみよう」

「は?」

「えいっ」

「えっ…!?」

ベリクリーデは、ひょいっ、と飛び上がった。

そのまま、空に向かって飛翔した。

まるで風船みたいに。

地上でそれを見上げていた俺、唖然。

あれは…浮遊魔法、か。

ベリクリーデ、あんな魔法が使えたのか?

「ジュリス、早く早くー」

ベリクリーデが上空から、俺をちょいちょい、と手招きした。

ちょ、まっ…。

俺は杖を取り出して、ベリクリーデと同じく浮遊魔法を使用した。

俺も使えて良かった。

そんなに簡単な魔法じゃないはずなんだが…。ベリクリーデの奴、いつの間に取得を…。

「…お前、浮遊魔法なんて使えたんだな」

「へ?ふゆー?」

「…」

まさか、分かってない?

無意識なのか。無自覚なのか?考えずに飛んでるのか。

なんて奴だよ。

あぁ、もう考えるのはよそう。

「それでベリクリーデ…。クロティルダは何処だ?」

「…うーん…。…この辺かな」

ベリクリーデは、飛翔するのをやめ。

地上から20m位離れた何もない地点で、その場に静止した。

…。…何もないんだけど?