…一同は、そのまましばし沈黙したが。
その沈黙を破ったのは、シルナだった。
「…シュニィちゃん。フユリ様はなんておっしゃってた?」
「え…」
「フユリ様も、このことはもう知ってるんだよね?」
「あ…はい。勿論です」
頷くシュニィ。
…フユリ様…。
ナツキ様の妹であるフユリ様は、今、どんな気持ちなのだろう?
兄の国が他国に攻め込まれ、兄の命までもが狙われている状況で…。
「フユリ様も…責任を感じていらっしゃるようでした。こうなったのは、元を正せばルーデュニア聖王国にも責任があると…」
「…そっか…」
…優しい人だからな。フユリ様も。
自分の責任じゃなくても、心を痛めていらっしゃる。
…丁度、今のシルナと同じように。
「だからって、アーリヤット皇国に加勢する、とは言わないよな?」
「勿論です…。可能な限り平和的な解決を望む、という声明を発表するそうですが、それ以上は関与しない、とのことです」
「…賢明な判断だな」
フユリ様の個人的な感情では、肉親であるナツキ様を助けたいだろう。
いくら嫌われていても…。血の繋がった兄妹なのだから。
それでも、国と国との問題に、私情を挟むことは出来ない。
フユリ様は自分の気持ちを押し殺し、自国の民を守る為に。
戦争の火の粉が、ルーデュニア聖王国の国土に降りかからないように。
対岸の火事が鎮火するのを、じっと見つめていることしか出来ないのだ。
「…フユリ様…。…お辛いだろうに」
「えぇ、そうだと思います…。…とても心を痛めていらっしゃいました」
…俺だって、他所の国だからって、ナツキ様の自業自得だからって…戦争なんて望んでない。
戦争になって、巻き込まれて苦しむのは。
王様じゃなくて、末端の兵士…国民達なのだ。
かつてのナジュのような…何の罪もない、ただその国に生まれたというだけで、辛い運命を背負わされた人々なのだ…。
その沈黙を破ったのは、シルナだった。
「…シュニィちゃん。フユリ様はなんておっしゃってた?」
「え…」
「フユリ様も、このことはもう知ってるんだよね?」
「あ…はい。勿論です」
頷くシュニィ。
…フユリ様…。
ナツキ様の妹であるフユリ様は、今、どんな気持ちなのだろう?
兄の国が他国に攻め込まれ、兄の命までもが狙われている状況で…。
「フユリ様も…責任を感じていらっしゃるようでした。こうなったのは、元を正せばルーデュニア聖王国にも責任があると…」
「…そっか…」
…優しい人だからな。フユリ様も。
自分の責任じゃなくても、心を痛めていらっしゃる。
…丁度、今のシルナと同じように。
「だからって、アーリヤット皇国に加勢する、とは言わないよな?」
「勿論です…。可能な限り平和的な解決を望む、という声明を発表するそうですが、それ以上は関与しない、とのことです」
「…賢明な判断だな」
フユリ様の個人的な感情では、肉親であるナツキ様を助けたいだろう。
いくら嫌われていても…。血の繋がった兄妹なのだから。
それでも、国と国との問題に、私情を挟むことは出来ない。
フユリ様は自分の気持ちを押し殺し、自国の民を守る為に。
戦争の火の粉が、ルーデュニア聖王国の国土に降りかからないように。
対岸の火事が鎮火するのを、じっと見つめていることしか出来ないのだ。
「…フユリ様…。…お辛いだろうに」
「えぇ、そうだと思います…。…とても心を痛めていらっしゃいました」
…俺だって、他所の国だからって、ナツキ様の自業自得だからって…戦争なんて望んでない。
戦争になって、巻き込まれて苦しむのは。
王様じゃなくて、末端の兵士…国民達なのだ。
かつてのナジュのような…何の罪もない、ただその国に生まれたというだけで、辛い運命を背負わされた人々なのだ…。


