神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

シルナ・エインリーと羽久・グラスフィアを、キルディリア魔王国から逃がした…その後の顛末を説明しよう。

俺とベリクリーデは、ファニレス王宮内を少し荒らして、時間稼ぎをしてから。

再びベリクリーデの案内(ベリクリーデの勘)で、無事に王宮から脱出。

そして、危険を避ける為にも、しばらくは王都ファニレスから離れていた方が良いと判断。

俺達は王都ファニレスを出て、少し離れた街にやって来た。

ずっと逃げっぱなしだったので、さすがに少し疲れた。

休憩がてら、何か食べて体力と気力を回復しようと、その街の市場に行き。

そこでベリクリーデに、何か食べたいものはあるか?と聞いたところ。

あれが欲しい、と言ってベリクリーデが指差したのが、コレ。

角砂糖。

砂糖だけ買ってどうするんだろう、と思いながら買ってやると。

なんとベリクリーデは、その角砂糖を、その場で座ってぼりぼり食べ始めた。

…ベリクリーデ。お前、それそのまま食べるのか。

これには、通行人もびっくり。

恥ずかしいから。せめて人目につかないところで食べてくれないか。

つーか、角砂糖ってそのまま齧るものじゃねーから。

「ベリクリーデ…。あのな、お前は知らないのかもしれないが、それはコーヒーとか紅茶に入れる…」

「ぼりぼり。…ふぇ?」

「あ、いや。良いや…」

もう、お好きにどうぞ。

これも糖分補給の一種だ。

アレだよ。シルナ・エインリーが、大好物のチョコレートを食べまくってるのと同じ。

そう思おう。

「いっぱい頭使ったから、甘い物欲しくなっちゃったの」

…とのこと。

あのベリクリーデの直感って、糖分が原料なのか。

そういうことなら、好きなだけ角砂糖を食べてくれ。

「ジュリスも一緒に食べよう」

「いや…俺はいいって…」

「美味しいよー、お砂糖。はい」

「もがっ」

ベリクリーデは、無理矢理俺の口に角砂糖を押し込んできた。

ちょ、やめろって。

飴じゃねーんだから。

「美味しいでしょ?」

「…そうだな…」

角砂糖の味だよ。

疲れた身体に沁み渡るな。全く。