そこにいたのは。
「…!イシュメル女王…!」
キルディリア魔王国の女王、イシュメル・ラニア・キルディリアその人だった。
「どうして…あなたが、ここに…」
「さて…どうしてじゃと思う?」
答えなくても分かった。
その時俺もシルナも、ようやくこの地震が自然災害ではないと理解した。
これが…キルディリア魔王国軍の敵襲なのだと。
「あなたが…」
シルナは怒りを滲ませた声で、イシュメル女王を睨んだが。
イシュメル女王は相変わらず、扇で口元を隠しながら、優雅に微笑んでいた。
「おぬしらが悪いんじゃよ。あれほど言っておいたのに…勝手に出ていくのだからな」
「…勝手に私達をキルディリア国民に仕立て上げようとしたあなたが、それを言うの?」
「先に裏切ったのはおぬしらじゃ。まさか、手駒をキルディリア国内に送り込んでいたとはな」
「…」
…手駒。
キルディリア脱出を手伝ってくれた…ジュリスとベリクリーデのことか。
イシュメル女王は、シルナが指示して、ジュリスとベリクリーデをキルディリア魔王国に送り込んだと思っているようだ。
だが、ジュリスとベリクリーデがキルディリアに来たのは、シルナの意思ではない。
結局、あの二人が何の為にキルディリア魔王国に来ていたのか、俺達にはまだ分からない。
あれは、単なる偶然だ。
ジュリスが、俺達がいつの間にか、キルディリア魔王国に亡命したことになっていると知って。
危険を冒して真偽を確かめに来て、そして危険を冒して俺達を逃がしてくれた。
あの二人は今頃、どうしているだろう?無事なんだろうか。
…だが、今は他人の心配をしている余裕はなさそうだ。
「わらわが直々に、迎えに来たぞ。さぁ、我らの新たなる故郷に戻ろう」
…何が故郷だ。
「私の故郷はここだよ。守るべき場所も、帰るべき場所もここだ」
シルナは、はっきりとそう言った。
「だから絶対に、私はキルディリア魔王国には行かない。君達こそ帰ってくれないかな」
「…そうか。穏便に済ませたかったのじゃか…。残念じゃ」
何?
「では、自らの大事な居場所が、我らの魔導の力で灰になるところを…その目で見るが良い」
そう言って、イシュメル女王は不敵に微笑んだ。
「…!イシュメル女王…!」
キルディリア魔王国の女王、イシュメル・ラニア・キルディリアその人だった。
「どうして…あなたが、ここに…」
「さて…どうしてじゃと思う?」
答えなくても分かった。
その時俺もシルナも、ようやくこの地震が自然災害ではないと理解した。
これが…キルディリア魔王国軍の敵襲なのだと。
「あなたが…」
シルナは怒りを滲ませた声で、イシュメル女王を睨んだが。
イシュメル女王は相変わらず、扇で口元を隠しながら、優雅に微笑んでいた。
「おぬしらが悪いんじゃよ。あれほど言っておいたのに…勝手に出ていくのだからな」
「…勝手に私達をキルディリア国民に仕立て上げようとしたあなたが、それを言うの?」
「先に裏切ったのはおぬしらじゃ。まさか、手駒をキルディリア国内に送り込んでいたとはな」
「…」
…手駒。
キルディリア脱出を手伝ってくれた…ジュリスとベリクリーデのことか。
イシュメル女王は、シルナが指示して、ジュリスとベリクリーデをキルディリア魔王国に送り込んだと思っているようだ。
だが、ジュリスとベリクリーデがキルディリアに来たのは、シルナの意思ではない。
結局、あの二人が何の為にキルディリア魔王国に来ていたのか、俺達にはまだ分からない。
あれは、単なる偶然だ。
ジュリスが、俺達がいつの間にか、キルディリア魔王国に亡命したことになっていると知って。
危険を冒して真偽を確かめに来て、そして危険を冒して俺達を逃がしてくれた。
あの二人は今頃、どうしているだろう?無事なんだろうか。
…だが、今は他人の心配をしている余裕はなさそうだ。
「わらわが直々に、迎えに来たぞ。さぁ、我らの新たなる故郷に戻ろう」
…何が故郷だ。
「私の故郷はここだよ。守るべき場所も、帰るべき場所もここだ」
シルナは、はっきりとそう言った。
「だから絶対に、私はキルディリア魔王国には行かない。君達こそ帰ってくれないかな」
「…そうか。穏便に済ませたかったのじゃか…。残念じゃ」
何?
「では、自らの大事な居場所が、我らの魔導の力で灰になるところを…その目で見るが良い」
そう言って、イシュメル女王は不敵に微笑んだ。


