自業自得…。身から出た錆…。
フユリ様に対する当て付けの為に、世界魔導師保護条約なんて、馬鹿げた条約を考えた報い。
全てはナツキ様が撒いた種。
…それはまぁ…そうなのかもしれないけど…。
実際、そうなんだろうけども…。
…でもさ。
「…責任、感じるだろ?俺達も…」
「なんで?」
「何でって…。ナツキ様はハクロとコクロに操られてたから…。そして、その原因は俺達に…」
もし、俺達のせいでナツキ様がハクロとコクロに操られてなかったら。
ナツキ様は、世界魔導師保護条約なんて考え出さなかったかもしれない。
つまり、回り回ってこれは…俺達にも責任の一端が、
しかし。
「知ったことじゃないよ。騙される方が悪いんだ」
「うっ…」
元暗殺者らしい、非常に割り切った答え。
更に。
「一言一句同感です。我々には関係ありません。放っておきなさい」
と、一喝するイレース。
…うん。お前はそう言うと思った…。
「で、ですが…イレースさん…」
それはあまりにも薄情なのでは、とシュニィが抗言しようとしたが…。
「下手に口を出せば、こちらにも飛び火する恐れがあります。馬鹿共が勝手に争っているなら、好きにさせておきなさい」
イレースは、やはり容赦がなかった。
馬鹿共、って…。
「その通りですね。戦争なんて、馬鹿のやることですよ」
「…ナジュ…」
「ましてや、魔導師と非魔導師の戦争なんて、不毛以外の何物でもない。…関わらない方が良いです」
ナジュの声は真剣そのものだった。
その言葉には、不毛な戦争に運命を翻弄された、当事者故の大きな説得力と重みがあった。
「…ナジュ君…」
そんなナジュの気持ちが理解出来るのだろう。
戦争なんて絶対反対な、平和主義者である天音も…何も言えなかった。
自分が何を言っても、自分の言葉に、ナジュ以上の説得力を持たせることは出来ない。
それを誰より分かっているからこそ、何も言わないのだ。
…そして、俺やシルナも。
「…」
「…」
お互いに顔を見合わせるだけで、何も言わなかった。
令月やすぐりの言うことが正しい。イレースも、ナジュもだ。
冷徹なようだが、これは俺達には関係のないことだ。
キルディリア魔王国に攻め込まれたのはアーリヤット皇国だ。俺達ルーデュニア聖王国じゃない。
首を突っ込むべきじゃない。
下手をすれば、こちらにも飛び火する恐れがある…。
…アーリヤット皇国には気の毒だが、この件に、俺達が口を挟むことは出来なかった。
フユリ様に対する当て付けの為に、世界魔導師保護条約なんて、馬鹿げた条約を考えた報い。
全てはナツキ様が撒いた種。
…それはまぁ…そうなのかもしれないけど…。
実際、そうなんだろうけども…。
…でもさ。
「…責任、感じるだろ?俺達も…」
「なんで?」
「何でって…。ナツキ様はハクロとコクロに操られてたから…。そして、その原因は俺達に…」
もし、俺達のせいでナツキ様がハクロとコクロに操られてなかったら。
ナツキ様は、世界魔導師保護条約なんて考え出さなかったかもしれない。
つまり、回り回ってこれは…俺達にも責任の一端が、
しかし。
「知ったことじゃないよ。騙される方が悪いんだ」
「うっ…」
元暗殺者らしい、非常に割り切った答え。
更に。
「一言一句同感です。我々には関係ありません。放っておきなさい」
と、一喝するイレース。
…うん。お前はそう言うと思った…。
「で、ですが…イレースさん…」
それはあまりにも薄情なのでは、とシュニィが抗言しようとしたが…。
「下手に口を出せば、こちらにも飛び火する恐れがあります。馬鹿共が勝手に争っているなら、好きにさせておきなさい」
イレースは、やはり容赦がなかった。
馬鹿共、って…。
「その通りですね。戦争なんて、馬鹿のやることですよ」
「…ナジュ…」
「ましてや、魔導師と非魔導師の戦争なんて、不毛以外の何物でもない。…関わらない方が良いです」
ナジュの声は真剣そのものだった。
その言葉には、不毛な戦争に運命を翻弄された、当事者故の大きな説得力と重みがあった。
「…ナジュ君…」
そんなナジュの気持ちが理解出来るのだろう。
戦争なんて絶対反対な、平和主義者である天音も…何も言えなかった。
自分が何を言っても、自分の言葉に、ナジュ以上の説得力を持たせることは出来ない。
それを誰より分かっているからこそ、何も言わないのだ。
…そして、俺やシルナも。
「…」
「…」
お互いに顔を見合わせるだけで、何も言わなかった。
令月やすぐりの言うことが正しい。イレースも、ナジュもだ。
冷徹なようだが、これは俺達には関係のないことだ。
キルディリア魔王国に攻め込まれたのはアーリヤット皇国だ。俺達ルーデュニア聖王国じゃない。
首を突っ込むべきじゃない。
下手をすれば、こちらにも飛び火する恐れがある…。
…アーリヤット皇国には気の毒だが、この件に、俺達が口を挟むことは出来なかった。


