神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

落とし穴にハマる間抜け共を、一網打尽にしてやろう。

俺達は職員室から出て、「お客さん」を迎える為に、罠の張り巡らされたグラウンドに出た。

「気をつけてね、足元。まだ落とし穴あるから」

「マジかよ。あぶねぇ」

俺までホイホイされちゃうじゃん。こえぇ。

距離を取って。距離を取って戦おう。

そして遠距離戦なら、俺の得意分野である。

そう意気込んだ俺は、今度こそ魔銃を召喚しようとしたのだが。

「よし、魔銃そうて、」

「あなたは下がっていなさい」

「え」

イレースちゃんがスッ、と俺の前に出た。

「ここは我々の学院です。可能な限りは、自分達の手で守ります」

「え?いや、でも…。女の子を前に出して戦わせる訳には、」

「…何か文句でも?」

ギロッ。

ひぇっ。

「どうぞ…。お構いなく…」

お言葉に甘えて。ここはお任せしますんで。はい。

どうぞどうぞ。

「この不埒者共。尻尾巻いて帰りなさい」

イレースちゃんは、バチバチと雷を纏う杖を取り出した。

うわぁ…。あれはえげつない…。

「いやぁ、これでも手加減してる方ですよ」

俺の心を読んだらしいナジュが、ボソッ、と俺にそう言った。

「マジ?手加減?アレで?」

「はい。学院長にキレて『お仕置き』する時は、軽くあの三倍は…」

「…何か言いましたか?」

殺意のこもった眼光で、くるり、と振り向くイレースちゃん。

ひぇっ。

「おい、やめとけ。命が惜しいなら」

「僕は命、惜しくないですけど」

「俺は惜しいんだよ。巻き添え食らうのは御免だ」

「そうですか」

死因∶感電死なんて、冗談じゃない。

しかも、味方の魔法で。

「後悔の時間です」

と言って。

イレースちゃんは、凄まじい威力の雷魔法を、キルディリア部隊のど真ん中に叩き込んだ。

大事を揺るがすほどの轟音と共に、キルディリア兵の気の毒な悲鳴が響き渡った。

あーあ…。可哀想に…。

攻めてきたのは向こうだから、自業自得だけど…。

そして、その次に。

「はいはい、進入禁止だからねー」

「うわぁぁぁぁ!」

元暗殺者組のすぐりが、糸魔法を使って、迫りくるキルディリア兵を一人一人、

糸で両足を絡め取って、ミノムシみたいに逆さに吊った。

残酷。

…そして。

「帰っていってね」

「ギャァァァ!」

その、哀れなミノムシ状態のキルディリア兵を。

同じく元暗殺者組の令月が、力魔法を使って、学院の敷地外に、ポーイッと投げていた。

扱いが、もう…。…ポイ捨てされた空き缶か何かかな?