神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

「…シルナ、シュニィ。お前達もそれで良いか?」

「…イーニシュフェルト魔導学院を戦場にするのは、私の本意ではないよ」

シルナがそう答えた。

…うん。分かってる。

誰だって、自分の家の中を戦場にしたくはねぇよ。

「だけど、無関係のルーデュニア国民を傷つけることは、もっと嫌だから。…それしか方法がないなら、私も覚悟を決めるよ」

「あぁ」

シルナは、何とか納得してくれた。

あとは…。

「…分かりました。学院長先生が覚悟を決められたのなら、私も覚悟します」

シュニィは静かにそう言った。

「私からフユリ様に掛け合います。聖魔騎士団も、出来る限りのサポートをします…。ですが…皆さん、誰も死なないでください。絶対に」

「あぁ…。…俺もそのつもりだよ」

死んでたまるか。誰一人。

必ず守ってみせる。シルナも、学院も仲間達も。みんな。

「さて、そうと決まれば、学院の罠を強化しないと」

「敵が来るなら、容赦する必要はないよねー。思いっきりやろーっと」

令月とすぐりが、ガラッと窓を開け、そこから飛び降りていった。

おい。容赦はしてやれよ。可哀想に。

「いつ敵が上陸しても困らないように、近所の猫達にも避難を呼びかけてくるよ」

次に、マシュリが猫の姿に『変化』して、窓から出ていった。

おぉ。猫ちゃん達も巻き込みたくないからな。逃げておいてくれ。

…あとは。

「…シルナ。俺達も、準備をしておこう」

「そうだね。…何が起きても大丈夫なように」

…こうして。





ここに、イーニシュフェルト魔導学院籠城戦が幕を開けたのである。