「これでも、故郷で長いこと戦争してた身なので分かります。いくらリーダーを殺しても、また別のリーダーが台頭するだけのことです。より、大きな憎しみを抱いて」

「…」

「そして、更なる泥沼に陥っていく。…戦争っていうのはそういうものです」

…ナジュ…。

「それじゃあ、どうするべきなの？代案がないのに、僕達に反対した訳じゃないよね？」

「えぇ、もちろんです」

え…？

「上手く行くかは分かりませんが、ルーデュニア聖王国の民を巻き込まず、かつ、キルディリア魔王国軍を撃退する…。…そんな素敵な作戦があります」

「えっ…ど、どうやるんだ？」

「準備しないといけないことがあるので、付き合ってくれます？」

ナジュの口から告げられたのは、予想外、かつ非常に大胆な作戦だった。