ーーーーーー…キルディリア魔王国が突然、ルーデュニア聖王国に最後通牒を突きつけてきた。
そのニュースを、俺とシルナは、聖魔騎士団からやって来たシュニィと無闇に聞かされた。
曰く、キルディリア魔王国の女王イシュメル・ラニア・キルディリアは、ルーデュニア聖王国に対し。
「今すぐ、不当に連れ去った我が国の国民を返せ。拒否する場合、武力行使も辞さない」という、断固とした最後通牒を突きつけてきたそうだ。
言ってることの意味がまったく分からない。
ルーデュニア聖王国が、キルディリア魔王国の国民を不当に連れ去った?
一体何のことだ。根も葉もない言いがかりである。
しかし。
シュニィと無闇の説明によると、キルディリア魔王国側が「不当に連れ去った我が国の国民」と主張しているのは。
なんと、俺とシルナのことだった。
俺達はキルディリア魔王国に滞在中、許可なく勝手に、キルディリアに亡命したことにされていた。
それで、俺とシルナは自分達の意思に関係なく、勝手にキルディリア魔王国の国民、ということにされてしまったのだ。
何が「不当に連れ去った」だ。ちゃんちゃらおかしい。
不当に国の中に閉じ込めようとしたのは、そっちじゃないか。
ともかく。
勝手にキルディリア魔王国を脱出して、逃亡されたことに気づき。
怒り心頭に発したイシュメル女王が、俺達に下した報復が、これだ。
俺達は、形振り構わずにキルディリア魔王国を脱出した。
だからイシュメル女王も、最早シルナを手に入れる為に、形振り構わないということだ。
…こうなったのは、俺のせいだ。
俺とシルナが、キルディリア魔王国を無理矢理脱走してきたから…。
「…それで、シュニィ。フユリ様はなんて…?」
「キルディリア魔王国の言い分には、断固として反対しています。学院長先生も羽久さんも、ルーデュニア聖王国の民であると」
そうか。…この期に及んで、庇ってくれようとするのか。
俺とシルナ、二人を引き渡しさえすれば…それで事態は落ち着くというのに。
「何があっても、自国の民を他国に売り渡したりしない。フユリ様はそうおっしゃっていました」
「…そうか」
フユリ様の気持ちは嬉しかったが。
俺の心の中は、大きく揺れ動いていた。
ルーデュニア聖王国を戦火に巻き込まない為に、俺達が出来ることは何だ?
俺達が大人しく、キルディリア魔王国に帰れば…。
と、俺が考えていると。
「…あなたもしかして、馬鹿なこと考えてるんじゃないでしょうね」
イレースが、ジロリと俺を睨んでそう聞いてきた。
ぎくっ…。
「べ、別に…そんなこと…」
「勝手に出ていこうなんて考えないことですね。居なくなられたら困るんですよ」
「…イレース…」
ありが、
「あなたがいなくなったら、誰が時魔法の授業を担当するんですか。ただでさえ一ヶ月も遅れてるのに」
「…」
そっちか。…そっちね。
イレースはそういう奴だった。うん。
良いよ、別に。どんな理由があれど、俺がここで必要とされてるってことだから。
そのニュースを、俺とシルナは、聖魔騎士団からやって来たシュニィと無闇に聞かされた。
曰く、キルディリア魔王国の女王イシュメル・ラニア・キルディリアは、ルーデュニア聖王国に対し。
「今すぐ、不当に連れ去った我が国の国民を返せ。拒否する場合、武力行使も辞さない」という、断固とした最後通牒を突きつけてきたそうだ。
言ってることの意味がまったく分からない。
ルーデュニア聖王国が、キルディリア魔王国の国民を不当に連れ去った?
一体何のことだ。根も葉もない言いがかりである。
しかし。
シュニィと無闇の説明によると、キルディリア魔王国側が「不当に連れ去った我が国の国民」と主張しているのは。
なんと、俺とシルナのことだった。
俺達はキルディリア魔王国に滞在中、許可なく勝手に、キルディリアに亡命したことにされていた。
それで、俺とシルナは自分達の意思に関係なく、勝手にキルディリア魔王国の国民、ということにされてしまったのだ。
何が「不当に連れ去った」だ。ちゃんちゃらおかしい。
不当に国の中に閉じ込めようとしたのは、そっちじゃないか。
ともかく。
勝手にキルディリア魔王国を脱出して、逃亡されたことに気づき。
怒り心頭に発したイシュメル女王が、俺達に下した報復が、これだ。
俺達は、形振り構わずにキルディリア魔王国を脱出した。
だからイシュメル女王も、最早シルナを手に入れる為に、形振り構わないということだ。
…こうなったのは、俺のせいだ。
俺とシルナが、キルディリア魔王国を無理矢理脱走してきたから…。
「…それで、シュニィ。フユリ様はなんて…?」
「キルディリア魔王国の言い分には、断固として反対しています。学院長先生も羽久さんも、ルーデュニア聖王国の民であると」
そうか。…この期に及んで、庇ってくれようとするのか。
俺とシルナ、二人を引き渡しさえすれば…それで事態は落ち着くというのに。
「何があっても、自国の民を他国に売り渡したりしない。フユリ様はそうおっしゃっていました」
「…そうか」
フユリ様の気持ちは嬉しかったが。
俺の心の中は、大きく揺れ動いていた。
ルーデュニア聖王国を戦火に巻き込まない為に、俺達が出来ることは何だ?
俺達が大人しく、キルディリア魔王国に帰れば…。
と、俺が考えていると。
「…あなたもしかして、馬鹿なこと考えてるんじゃないでしょうね」
イレースが、ジロリと俺を睨んでそう聞いてきた。
ぎくっ…。
「べ、別に…そんなこと…」
「勝手に出ていこうなんて考えないことですね。居なくなられたら困るんですよ」
「…イレース…」
ありが、
「あなたがいなくなったら、誰が時魔法の授業を担当するんですか。ただでさえ一ヶ月も遅れてるのに」
「…」
そっちか。…そっちね。
イレースはそういう奴だった。うん。
良いよ、別に。どんな理由があれど、俺がここで必要とされてるってことだから。


