神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

もしかして、僕とナジュ君が怪しいから?

「大の大人が砂場で遊んでる→不審者に違いない→逃げなきゃ!」みたいな?

もしそうだったら、非常に申し訳ない。

けれど…。

「…」

振り返ったナジュ君は、手を止めて愕然としていた。

あのお母さんの心の中を読んだのだ。

人の心を読み慣れているナジュ君が、こんなに驚くなんて。

「…ナジュ君…?どうしたの、大丈夫?」

「…」

「な…ナジュ君…」

沈黙が怖いよ。ナジュ君。

どうしよう。今、あのお母さんに対して読心魔法使ってるんだよね?

口出ししない方が良いのかな。って、余計なこと考えてる僕の思考も、ナジュ君にとっては煩わし、

「…天音さん」

「な、何っ?」

「すぐに帰りましょう、イーニシュフェルト魔導学院に」

「…」

ナジュ君の、この表情。間違いない。

やっぱり、何か大変なことが起きたんだ。

「ナジュ君…。どうしたの?一体何があったの?」

「さっき、あの女性の心の中を覗いて、分かったんですが…。…キルディリア魔王国が、ルーデュニア聖王国に最後通牒を突きつけてきたそうです」

最後通牒。





それはつまり、キルディリア魔王国とルーデュニア聖王国との会戦が、瀬戸際まで迫っているということだった。