「な、ナジュ君。さすがに、子供達に混じって大人が…」
大人が砂場でお山なんて作ってたら、さすがに怪しまれちゃうよ。
それはやめよう、と言おうとしたけど。
「…何だか懐かしいですね」
「えっ?」
山を少しずつ大きくしながら、ナジュ君はしみじみと、懐かしそうに言った。
「思えば、リリスと最初に会ったのも公園だったんですよね。さびれて、ブランコと滑り台くらいしか遊具のない、小さな公園」
「…」
「僕は家族との関係が良くなくて、リリスに出会うまでは、ずっと一人ぼっちだったんです。一人で遊ぶのが当たり前…。…だけどリリスと出会ってからは、リリスが一緒に遊んでくれて…」
「…」
「不思議ですよね。一人で遊んでた時は、一日が長くて仕方なかったのに…。リリスと一緒にこうして、砂場で遊んだりブランコで遊んだりすると、あっという間に時間が過ぎるんですよ」
「…」
…唐突に重い話が出てきて、反応に困るけど。
そっか…ナジュ君…。
「でもあの後、戦争に巻き込まれて…。もう公園で遊ぶような時間も、余裕も、そもそも公園も焼け野原になっちゃったんですけどね」
「…」
「思えば、あの頃が一番楽しかったですね。リリスと一緒に、砂場で山を作ってたあの頃が…。僕の人生のピークだったんでしょうね」
「…」
ピークなんかじゃないよ、ナジュ君。
僕は黙って、砂のお山を挟んで、ナジュ君の向かい側にしゃがみ込み。
一緒に、砂山を作り始めた。
…綺麗な思い出は、綺麗なまま残しておいて良いと思う。
だけど、綺麗な思い出の中だけに生きて、これからの人生に対して目を閉じてしまうのは、それは勿体ないと思う。
「あのね、ナジュ君。これからきっと、楽しいことがたくさんあるよ」
山を作りながら、僕は言った。
「一人じゃないから。映画館でも、アイスクリーム屋さんでも、公園でも…。何処でも付き合うから」
だから、そんな寂しいことは言わないで。
「…さっきから、ずっと恥ずかしがってた癖に?」
「うぐっ…そ、それは…」
それは認めるけど。
でもナジュ君やっぱり、分かっててわざと、恥ずかしい場所にばっかり連れて行ったんだね?
…もぉぉ…。
「ふふふ。天音さんのお陰で楽しかったですよ、今日は」
「そりゃ…僕も楽しかったけどさ…」
今度は、もう少し恥ずかしくない場所に…。
…と、言おうとしたその時。
「◯◯ちゃん!帰るわよ」
突然、公園の中に若いお母さんが駆け込んできた。
そして、ブランコで遊んでいた幼稚園くらいの女の子の手を引いて、無理矢理立たせた。
「えぇ、やだ!まだ遊びたい!」
「ダメよ。それどころじゃないの!すぐ帰るわよ」
ぐずる女の子を、お母さんは半ば強制連行。
引っ張るようにして、連れて帰ってしまった。
…何これ?
大人が砂場でお山なんて作ってたら、さすがに怪しまれちゃうよ。
それはやめよう、と言おうとしたけど。
「…何だか懐かしいですね」
「えっ?」
山を少しずつ大きくしながら、ナジュ君はしみじみと、懐かしそうに言った。
「思えば、リリスと最初に会ったのも公園だったんですよね。さびれて、ブランコと滑り台くらいしか遊具のない、小さな公園」
「…」
「僕は家族との関係が良くなくて、リリスに出会うまでは、ずっと一人ぼっちだったんです。一人で遊ぶのが当たり前…。…だけどリリスと出会ってからは、リリスが一緒に遊んでくれて…」
「…」
「不思議ですよね。一人で遊んでた時は、一日が長くて仕方なかったのに…。リリスと一緒にこうして、砂場で遊んだりブランコで遊んだりすると、あっという間に時間が過ぎるんですよ」
「…」
…唐突に重い話が出てきて、反応に困るけど。
そっか…ナジュ君…。
「でもあの後、戦争に巻き込まれて…。もう公園で遊ぶような時間も、余裕も、そもそも公園も焼け野原になっちゃったんですけどね」
「…」
「思えば、あの頃が一番楽しかったですね。リリスと一緒に、砂場で山を作ってたあの頃が…。僕の人生のピークだったんでしょうね」
「…」
ピークなんかじゃないよ、ナジュ君。
僕は黙って、砂のお山を挟んで、ナジュ君の向かい側にしゃがみ込み。
一緒に、砂山を作り始めた。
…綺麗な思い出は、綺麗なまま残しておいて良いと思う。
だけど、綺麗な思い出の中だけに生きて、これからの人生に対して目を閉じてしまうのは、それは勿体ないと思う。
「あのね、ナジュ君。これからきっと、楽しいことがたくさんあるよ」
山を作りながら、僕は言った。
「一人じゃないから。映画館でも、アイスクリーム屋さんでも、公園でも…。何処でも付き合うから」
だから、そんな寂しいことは言わないで。
「…さっきから、ずっと恥ずかしがってた癖に?」
「うぐっ…そ、それは…」
それは認めるけど。
でもナジュ君やっぱり、分かっててわざと、恥ずかしい場所にばっかり連れて行ったんだね?
…もぉぉ…。
「ふふふ。天音さんのお陰で楽しかったですよ、今日は」
「そりゃ…僕も楽しかったけどさ…」
今度は、もう少し恥ずかしくない場所に…。
…と、言おうとしたその時。
「◯◯ちゃん!帰るわよ」
突然、公園の中に若いお母さんが駆け込んできた。
そして、ブランコで遊んでいた幼稚園くらいの女の子の手を引いて、無理矢理立たせた。
「えぇ、やだ!まだ遊びたい!」
「ダメよ。それどころじゃないの!すぐ帰るわよ」
ぐずる女の子を、お母さんは半ば強制連行。
引っ張るようにして、連れて帰ってしまった。
…何これ?


