神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

結果、僕の抵抗も虚しく。

僕とナジュ君は、ちっちゃい女の子の、その親御さんに混じって。

『劇場版 美幼女魔女★まじかるうぃっち』を観ることになった。

とても恥ずかしかったです。

特に、隣に座ってた小さな女の子が、「このお兄ちゃん、大きいのに、何でここにいるんだろう?」みたいな不思議そうな顔で、こちらを見上げていたのが。

とても恥ずかしかったです。

お陰で、ろくにストーリーが頭の中に入ってこなかった。

でも、恥ずかしさのあまり、顔から火が出そうな僕とは裏腹に。

ナジュ君だけは非常に堂々と、そして興味津々でスクリーンを見つめていた。

僕にも、ナジュ君みたいな度胸があったなら。

…そして、映画が終わった後…。






「はぁ、はぁ。恥ずかしかった…」

「いやぁ。面白かったですねー」

…えっ?

面白かったの?ねぇ、ナジュ君。

ナジュ君の方がその、そっち系の、趣味
が。

「…ふふふ」

ナジュ君はくるりとこちらを振り向き、そして意味深に笑った。

…ねぇ。その笑顔の意味は何?ねぇ。

「さて、それじゃ次は…。…おっ、あのお店、お洒落で美味しそうですね。行ってみましょうかー」

「えっ、ちょっ…。ナジュ君、まっ…」

スタコラサッサと歩き出すナジュ君を、僕は慌てて追い掛けた。

辿り着いたのは、確かに、ファンシーでお洒落な外装のお店。

喫茶店かなと思ったけど、違っていた。

「えぇと…『アイスクリームショップ メルヘン♡スイート』…?」

…って、名前のお店がある。

アイスクリームのお店…?

…この時期に?

「ふむふむ、成程。ちょっと入ってみましょうか」

「ナジュ君。寒いのにアイス食べるの?」

「寒いからこそ食べるアイス。至福でしょう?」

そ、そうなの?

寒い時はアイスクリームって、全然売れない印象があるんだけど…。←失礼。

お店の中も、きっとガラガラに違いない…。

…と、思ったが。

ナジュ君がお店の扉を押して、中に入ると。

そこには、5、6人のお客さんが列を作って、ドアのすぐ近くまで並んでいた。

うわっ。凄い。待ってる人がこんなに。

さすがにお店の外までは並んでないけど…。

冬でもこれなら、夏なんてもっと凄い行列なんだろうな。

お店の中には飲食出来るスペースもあって、買ったばかりのアイスを美味しそうに食べていた。

見事に、女性客ばっかり。

ほとんどが高校生か、大学生くらいの女の子。

ちらほら、小学生っぽい子もいるけど。

良い歳した男が入って良いお店じゃないよ。

お店の中でメルヘン過ぎて、場違い感が半端じゃない。

あと、恥ずかしい。

「な、ナジュ君。このお店はちょっと…」

「よし、それじゃあ僕達も並ぶとしましょうかー」

「…」

…ナジュ君。

君の度胸が、僕は心の底から羨ましいよ。