「魔法が使えないからって、そんな…。不当に人を傷つけるなんて…」
「不当じゃないんでしょう、彼らにとっては」
…え?
魔導師を差別するなんて酷い、という雰囲気に、一石を投じたのは。
珍しく、真面目な顔をしたナジュだった。
「ナジュ…君?」
「天音さん。それに皆さんも。あなた方の批判を覚悟で言いますが…。…正直、僕にはキルディリア魔導師達の気持ちが理解出来ます」
「えっ…?」
…魔導師を差別するというその行為を、肯定すると言うのか?
何で…。
「羽久さん、肯定している訳じゃありません。ただ理解出来るってだけです」
「え、あ…ご、ごめん」
「…いえ、でもそう思われても仕方ありませんよね」
すると。
「…僕も、その意見に賛成」
マシュリまでもが、ナジュの意見に賛成した。
このふたりの意見が一致するとは。珍しい。
「どうして…」
「…半分人間の血が入ってるのに、君達以外の者は誰も、僕を人間だと認めなかった」
「…!」
マシュリの言葉に、俺はハッとした。
「そういうものだよ。人間っていうのは…少しでも自分と違うものを異質とみなして、排除する生き物なんだ。…そこに善意も悪意もない」
「…マシュリ…」
「…僕も似たような理由ですね。…魔導師と非魔導師の戦争に参加させられて、嫌と言うほど思い知ったので」
…そうか、ナジュも。
「あなたも分かるんじゃないですか。アルデン人であるあなたなら」
「…」
ナジュに問われて、シュニィも言葉に詰まった。
…そう、だったな。
シュニィも、昔は…自分が少数民族の出身であることに、酷いコンプレックスを抱いていた。
「その人が優しいとか、親切だとか、そんなことは関係ない。…魔導師じゃないってだけで、彼らにとってはそれだけで、攻撃対象なんです」
「…」
「むしろ、遠慮なく踏みつけられるものがあるから、努力しようと思える。他者を傷つけることでしか、自分の価値を見出だせない…。…虚しいですけど、人間って所詮、そういう生き物ですから」
…ナジュが言うと、説得力が違うな。
実際に、魔導師と非魔導師の戦争に巻き込まれた、ナジュが言うと…。
何と言って良いのか分からなくて、しばし黙ってしまったが…。
沈黙を破ったのは、シルナだった。
「君の言うことはもっともだよ。マシュリ君、それにナジュ君も」
「はい」
「だけど、それは人を傷つけて良い理由にはならないんだ」
…。…シルナ…。
「だから私は、キルディリア魔王国のやり方を否定する。私が戦争に協力することは絶対に有り得ない。あの国に亡命することも絶対にしない」
「学院長先生…」
「…君なら、そう言うと思ってたよ」
シュニィと、そしてマシュリが言った。
…そうだな。シルナの言う通りだ。
「不当じゃないんでしょう、彼らにとっては」
…え?
魔導師を差別するなんて酷い、という雰囲気に、一石を投じたのは。
珍しく、真面目な顔をしたナジュだった。
「ナジュ…君?」
「天音さん。それに皆さんも。あなた方の批判を覚悟で言いますが…。…正直、僕にはキルディリア魔導師達の気持ちが理解出来ます」
「えっ…?」
…魔導師を差別するというその行為を、肯定すると言うのか?
何で…。
「羽久さん、肯定している訳じゃありません。ただ理解出来るってだけです」
「え、あ…ご、ごめん」
「…いえ、でもそう思われても仕方ありませんよね」
すると。
「…僕も、その意見に賛成」
マシュリまでもが、ナジュの意見に賛成した。
このふたりの意見が一致するとは。珍しい。
「どうして…」
「…半分人間の血が入ってるのに、君達以外の者は誰も、僕を人間だと認めなかった」
「…!」
マシュリの言葉に、俺はハッとした。
「そういうものだよ。人間っていうのは…少しでも自分と違うものを異質とみなして、排除する生き物なんだ。…そこに善意も悪意もない」
「…マシュリ…」
「…僕も似たような理由ですね。…魔導師と非魔導師の戦争に参加させられて、嫌と言うほど思い知ったので」
…そうか、ナジュも。
「あなたも分かるんじゃないですか。アルデン人であるあなたなら」
「…」
ナジュに問われて、シュニィも言葉に詰まった。
…そう、だったな。
シュニィも、昔は…自分が少数民族の出身であることに、酷いコンプレックスを抱いていた。
「その人が優しいとか、親切だとか、そんなことは関係ない。…魔導師じゃないってだけで、彼らにとってはそれだけで、攻撃対象なんです」
「…」
「むしろ、遠慮なく踏みつけられるものがあるから、努力しようと思える。他者を傷つけることでしか、自分の価値を見出だせない…。…虚しいですけど、人間って所詮、そういう生き物ですから」
…ナジュが言うと、説得力が違うな。
実際に、魔導師と非魔導師の戦争に巻き込まれた、ナジュが言うと…。
何と言って良いのか分からなくて、しばし黙ってしまったが…。
沈黙を破ったのは、シルナだった。
「君の言うことはもっともだよ。マシュリ君、それにナジュ君も」
「はい」
「だけど、それは人を傷つけて良い理由にはならないんだ」
…。…シルナ…。
「だから私は、キルディリア魔王国のやり方を否定する。私が戦争に協力することは絶対に有り得ない。あの国に亡命することも絶対にしない」
「学院長先生…」
「…君なら、そう言うと思ってたよ」
シュニィと、そしてマシュリが言った。
…そうだな。シルナの言う通りだ。


