すると。
「それにしても、酷い国だねー。ある意味、ジャマ王国より酷くない?」
「『八千歳』はともかく、僕だったら『青カード』扱いだったかもしれないね」
元暗殺者組のすぐりと令月が、そう口にした。
…令月、お前も一応、偏ってはいるが魔法が使えるんだから、ちゃんと魔導師として…。
…いや、でも、分からない。
あの国ならやりかねない。そう思わせてくるのが恐ろしい。
「魔導師じゃない人に、そんな酷い差別を…。…どうして?魔導師じゃないってだけで…お店やホテルに入れてもらえないなんて…」
誰よりも優しい天音は、俺達の見聞きしたことが信じられないようだった。
…ちなみに、魔導師じゃない子供を国外に追放した、という…あの光景を見てしまった、という話はしなかった。
あまりに悲惨な気分にさせられるし…。それに何より、この場にシュニィがいるからだ。
小さな女の子が、母親から引き離されて、連れて行かれた…。
そんな話をシュニィにしたら、きっと、誰よりも傷つくに違いなかった。
だから、彼女の前ではどうしても言えなかった。
シルナも同様だったのだろう。その話だけは、暗黙の了解で避けていた。
…まぁ、ナジュは既に察してると思うが。
「キルディリア魔王国が、そんな酷い差別をしているなんて…。…知りませんでした」
「うん…。魔導師が優勢な国だとは知ってたけど…」
「…馬鹿馬鹿しい」
イレースは、忌々しそうにそう吐き捨てた。
「魔導師だろうと馬鹿はいるし、非魔導師だろうと話の分かる者はいます」
「…イレース…」
その通りだよ、イレース。
その言葉、イシュメル女王に言ってやってくれ。
「実際、私の知り合いにもいますよ。優れた魔法が使えるけれど、見た目も中身も怠惰なパンダみたいな魔導師が」
「…ねぇ。イレースちゃん…。その知り合いって、私のことじゃないよね…?」
シルナ、遠い目。
「それに、悪趣味な読心魔法を乱用する魔導師もいますね。あんなものに特権階級を与えようなど、身分違いにも程があります」
「うわー、実質名指し。傷つきますね〜」
…ナジュのことだな。間違いなく。
すると。
「魔法は使えるけど、俺みたいにさー。毒魔法とか糸魔法とか、人を殺すしか能のない魔導師もいるけど」
と、すぐりは半笑いで言った。
「そーゆー奴は、どーゆー扱いになるんだろうね?魔法使えない人なんかより、よっぽど酷いクズだと思うけど」
「すぐり…。…そんなことは…」
自虐が過ぎるぞ。お前はクズなんかじゃ…。
「…魔法が使えるかどうかなんて、関係ありません」
シュニィが静かに言った。
「魔法が使えなくても…。優しい人、親切な人、明るい人…。たくさん素晴らしい人がいます。私はそのことを知っています」
「…シュニィ…」
そうだよな。
実際シュニィの夫…アトラスも、非魔導師だ。
だけど、二人がどれほど愛し合って、互いを大切に思っているか。
そんなこと、わざわざ確かめるまでもない、誰もが知っている事実だ。
「それにしても、酷い国だねー。ある意味、ジャマ王国より酷くない?」
「『八千歳』はともかく、僕だったら『青カード』扱いだったかもしれないね」
元暗殺者組のすぐりと令月が、そう口にした。
…令月、お前も一応、偏ってはいるが魔法が使えるんだから、ちゃんと魔導師として…。
…いや、でも、分からない。
あの国ならやりかねない。そう思わせてくるのが恐ろしい。
「魔導師じゃない人に、そんな酷い差別を…。…どうして?魔導師じゃないってだけで…お店やホテルに入れてもらえないなんて…」
誰よりも優しい天音は、俺達の見聞きしたことが信じられないようだった。
…ちなみに、魔導師じゃない子供を国外に追放した、という…あの光景を見てしまった、という話はしなかった。
あまりに悲惨な気分にさせられるし…。それに何より、この場にシュニィがいるからだ。
小さな女の子が、母親から引き離されて、連れて行かれた…。
そんな話をシュニィにしたら、きっと、誰よりも傷つくに違いなかった。
だから、彼女の前ではどうしても言えなかった。
シルナも同様だったのだろう。その話だけは、暗黙の了解で避けていた。
…まぁ、ナジュは既に察してると思うが。
「キルディリア魔王国が、そんな酷い差別をしているなんて…。…知りませんでした」
「うん…。魔導師が優勢な国だとは知ってたけど…」
「…馬鹿馬鹿しい」
イレースは、忌々しそうにそう吐き捨てた。
「魔導師だろうと馬鹿はいるし、非魔導師だろうと話の分かる者はいます」
「…イレース…」
その通りだよ、イレース。
その言葉、イシュメル女王に言ってやってくれ。
「実際、私の知り合いにもいますよ。優れた魔法が使えるけれど、見た目も中身も怠惰なパンダみたいな魔導師が」
「…ねぇ。イレースちゃん…。その知り合いって、私のことじゃないよね…?」
シルナ、遠い目。
「それに、悪趣味な読心魔法を乱用する魔導師もいますね。あんなものに特権階級を与えようなど、身分違いにも程があります」
「うわー、実質名指し。傷つきますね〜」
…ナジュのことだな。間違いなく。
すると。
「魔法は使えるけど、俺みたいにさー。毒魔法とか糸魔法とか、人を殺すしか能のない魔導師もいるけど」
と、すぐりは半笑いで言った。
「そーゆー奴は、どーゆー扱いになるんだろうね?魔法使えない人なんかより、よっぽど酷いクズだと思うけど」
「すぐり…。…そんなことは…」
自虐が過ぎるぞ。お前はクズなんかじゃ…。
「…魔法が使えるかどうかなんて、関係ありません」
シュニィが静かに言った。
「魔法が使えなくても…。優しい人、親切な人、明るい人…。たくさん素晴らしい人がいます。私はそのことを知っています」
「…シュニィ…」
そうだよな。
実際シュニィの夫…アトラスも、非魔導師だ。
だけど、二人がどれほど愛し合って、互いを大切に思っているか。
そんなこと、わざわざ確かめるまでもない、誰もが知っている事実だ。


