「…ってな訳で、何とか這々(ほうほう)の体で戻ってきたんだ」
「…」
これには、シュニィと天音はびっくり。
ナジュはもう事情を知ってるから、驚いてはいないが。
イレースも同じように、何を聞いても淡々としていた。
それは、マシュリも同様で。
「…これほど長く帰ってこないんだから、何かあるんだろうなとは思ってたよ」
とのこと。
それから。
「ふーん。大変だね」
「やっぱり、俺達も連れてってくれたら良かったのにー。脱走ならお手の物だしね」
「うん」
令月とすぐりが、そう言った。
…。
…お前ら、一体いつからそこで聞いてたんだ?
お前達を職員室に招待した覚えはないんだがな。
気配なく職員室に入ってきて、気配なく当たり前のようにそこに座ってるから。
俺も、しばらく気づかなかったよ。
まぁ、良いけどさ…。…どうせ、追い返したって、壁や天井裏に這って聞いてるんだろうし。
「まさか…そんなことが…」
シュニィは青褪めて、そう呟いた。
…そうだ。シュニィに聞こうと思ってたんだ。
「シュニィ。ジュリスとベリクリーデは、何でキルディリア魔王国に来てたんだ?」
「えっ?」
向こうで二人にも聞いたけど、あまりはっきりとした答えが聞けなかったからな。
詳しく、長話していられる状況でもなかったし。
「お前の指示か?それとも…」
「あ、いえ…それは…。人探し…と言うか、天使探しと言いますか…」
…?
…天使?
「えっと…。ちょっと探し物があるからと、お二人でキルディリア魔王国に向かったんです。学院長先生達のこととは無関係の用事なので…」
「あ、そう…」
じゃ、アーリヤット皇国との戦争とも、無関係だと思って良いんだよな?
だけど、俺とシルナの逃亡に手を貸したことは事実。
そのせいで、二人が咎められることになってないか…。それだけが心配である。
すると、シュニィはそんな俺の心配を察したのか。
「大丈夫だと思います。ジュリスさんとベリクリーデさんなら」
「…シュニィ…」
「それに、ジュリスさんの気持ちも分かります。きっと彼は、お二人が王宮に囚われていると知って、動かずにはいられなかったんでしょう」
…そう、なのかな。
「同じ立場なら、私もそうしたと思います。だから、あなたが気に病む必要はないんですよ」
「…そうか」
俺とシルナが、イーニシュフェルト魔導学院の仲間を信じているのと同じように。
シュニィもまた、同じ聖魔騎士団魔導部隊の仲間として、ジュリスとベリクリーデのことを信じているのだろう。
ならば、もう何も言うまい。
あの二人が、何の為にキルディリア魔王国にいたのか、その理由は分からないけど。
それが何であれ、目的を済ませたら、きっと帰ってくるはずだ。
そう信じて待とう。
「…」
これには、シュニィと天音はびっくり。
ナジュはもう事情を知ってるから、驚いてはいないが。
イレースも同じように、何を聞いても淡々としていた。
それは、マシュリも同様で。
「…これほど長く帰ってこないんだから、何かあるんだろうなとは思ってたよ」
とのこと。
それから。
「ふーん。大変だね」
「やっぱり、俺達も連れてってくれたら良かったのにー。脱走ならお手の物だしね」
「うん」
令月とすぐりが、そう言った。
…。
…お前ら、一体いつからそこで聞いてたんだ?
お前達を職員室に招待した覚えはないんだがな。
気配なく職員室に入ってきて、気配なく当たり前のようにそこに座ってるから。
俺も、しばらく気づかなかったよ。
まぁ、良いけどさ…。…どうせ、追い返したって、壁や天井裏に這って聞いてるんだろうし。
「まさか…そんなことが…」
シュニィは青褪めて、そう呟いた。
…そうだ。シュニィに聞こうと思ってたんだ。
「シュニィ。ジュリスとベリクリーデは、何でキルディリア魔王国に来てたんだ?」
「えっ?」
向こうで二人にも聞いたけど、あまりはっきりとした答えが聞けなかったからな。
詳しく、長話していられる状況でもなかったし。
「お前の指示か?それとも…」
「あ、いえ…それは…。人探し…と言うか、天使探しと言いますか…」
…?
…天使?
「えっと…。ちょっと探し物があるからと、お二人でキルディリア魔王国に向かったんです。学院長先生達のこととは無関係の用事なので…」
「あ、そう…」
じゃ、アーリヤット皇国との戦争とも、無関係だと思って良いんだよな?
だけど、俺とシルナの逃亡に手を貸したことは事実。
そのせいで、二人が咎められることになってないか…。それだけが心配である。
すると、シュニィはそんな俺の心配を察したのか。
「大丈夫だと思います。ジュリスさんとベリクリーデさんなら」
「…シュニィ…」
「それに、ジュリスさんの気持ちも分かります。きっと彼は、お二人が王宮に囚われていると知って、動かずにはいられなかったんでしょう」
…そう、なのかな。
「同じ立場なら、私もそうしたと思います。だから、あなたが気に病む必要はないんですよ」
「…そうか」
俺とシルナが、イーニシュフェルト魔導学院の仲間を信じているのと同じように。
シュニィもまた、同じ聖魔騎士団魔導部隊の仲間として、ジュリスとベリクリーデのことを信じているのだろう。
ならば、もう何も言うまい。
あの二人が、何の為にキルディリア魔王国にいたのか、その理由は分からないけど。
それが何であれ、目的を済ませたら、きっと帰ってくるはずだ。
そう信じて待とう。


