神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

翌日。

俺とシルナは、久し振りにイーニシュフェルト魔導学院の職員室に向かった。

そこには、懐かしい顔ぶれが揃っていた。

昨夜は会えなかった、天音とナジュとマシュリまで。

「おっ…。マシュリ、それに天音とナジュも…。…久し振り」

また会えて嬉しいよ。

果たしてこの三人は、俺達を見てどんな反応をするか。

…と、思ったが。

「あぁ、お帰りなさい。昨夜のうちに帰ってきたんですってね」

ナジュは、少しも驚くことなく平然とした口振り。

…多分、イレースの心を読んで、今朝は既に俺たちが帰ってきていることを知っていたのだろう。

まぁ、お前はそういうヤツだよ。

基本的に、ナジュが驚いてるところって滅多に見られないからな。

だが、マシュリと天音なら…。

…と思ったが。

「昨夜、猫の集会から帰ってきたら、二人の匂いがしたから。帰ってきたんだなって思ってたよ」

…あ、そう。

そういえばマシュリは、めちゃくちゃ鼻が良いんだった…。

俺達の姿を見る前に、体臭を嗅ぎつけて、帰ってきたことを察知してたらしい。

さすが…。

それじゃ、天音は。

「…」

天音は俺達の姿を見るなり、目を真ん丸にして。

それから。

「えっ…ぼ、僕だけ知らなかった…?」

「…ですね」

「ナジュ君、教えてくれれば良かったのに…!」

「いやぁ。それじゃ面白くないかなと思って…」

何も面白いことなんて、ねーっての。

「が…学院長先生、それに羽久さんも…帰ってこられたんだね…!」

おっ…。

「良かった、本当に良かった…!」

そう、これ。これだよ。

俺達が望んでた反応。これだよ。

ありがとう天音。お前は期待を裏切らない男だ。

「本当に心配してたんだよ…。なかなか戻ってこないから」

「ごめんな…。俺もすぐに帰りたかったんだが…。…色々、大変なことがあったんだ」

「そっか…。でも、帰ってきてくれて本当に良かった。また会えて嬉しいよ」

俺もだ。

天音…。お前は本当に良い奴だな。

冷血な他の皆さんにも見習って欲しい。

「冷血と言われましても…。どうせあなた達なら、いずれ帰ってくると思ってましたし」

心を読むなって、ナジュ。

「二人共、大変だったよね。今日はゆっすり休んだ方がい、」

「ちょっと待ちなさい」

天音がいつもの優しさを発揮して、休むように言ってくれようとしたが。

それを、イレースが鋭く遮った。