神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

イレースとも久し振りだな。

「イレース…。元気そうで良かった。俺達、やっと帰って…」

「あぁ、なんだあなた達ですか」

…なんだ?

「もう深夜なんですよ。大騒ぎするんじゃありません」

「いや…その…。さっきのは…俺じゃなくて、令月とすぐりが…」

「はぁ…。疲れた。さっきまで、職員室で残業だったんです。あなた達が帰ってこないせいで」

「…」

「帰ってきたなら、明日から授業に出てもらいますよ。…それでは」

こんな時間まで残業していたイレースは、さっさと自分の部屋に戻っていった。

…。

…心に隙間風。

「…ねぇ、羽久」

「…何だ、シルナ」

「…マシュリ君は?マシュリ君なら、もう少し…」

あぁ、そうだな。マシュリなら…。

…と思ったけど、今日の曜日を考えると…。

「…あいつ、今夜は猫集会じゃね?」

「あっ…」

多分今頃、猫仲間と一緒に空き地に集まって、にゃーにゃー言ってるよ。

「じ、じゃあナジュ君は…」

「多分今頃、精神世界でリリスとイチャついてるんじゃね?」

「そ、それなら天音君…!」

「…もうとっくに寝てんじゃね?」

「…」

まぁ、アレだ。

夜中に帰ってきた俺達が悪い。

せめて令月とすぐり、そしてイレースの顔を見られたことを喜ぶべきなのかもしれない。

それでも。

「何だか…。…切ないね」

「…そうだな…」

やっぱり、明日帰ってきた方が良かったんじゃね?

こんなこと思うのは、女々しいかもしれないけど。

なんつーか、思ってた以上に心配されてなかったっぽい。

キルディリア魔王国に行ってからというもの、ずっと修羅場を潜り続けていた俺達とは裏腹に。

イーニシュフェルト魔導学院の方は、平和で過ごしてたみたいで…むしろ安心したよ。