神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

家に帰ってきただけなのに、何で俺ら、危うく殺されかけたワケ?

「なーんだ。羽久せんせーと学院長せんせーかぁ」

とか言って、すぐりはシルナを捕らえていた糸魔法を解除した。

「へぶっ」

シルナの身体から糸が消え、シルナはそのまま、顔面から地面にダイブした。

…あーあ…。

危うく、俺も令月の小太刀の錆になるところだった…。

「…何なの?お前ら」

「え?夜間巡回中」

巡回するな。

「校舎の見回りをしてたら、『八千歳』の罠が発動したから。賊が侵入したのかと思って」

「急いで駆け付けたんだよねー」

…あ、そう…。

どうでも良いけどさ、すぐり。

これ、今回は相手が俺とシルナだから、まだ良かったものを。

学院に用事があって訪ねてきたお客さんだったら、どうしてくれるんだよ?

「でも、羽久と学院長なら大丈夫だね」 

「そーだね。じゃ、俺達は見回りに戻るよ。じゃあねー」

「え?あ、あぁ…」

令月とすぐりは、すたすたと校舎の方に歩いていった。

…。

…知ってるか?俺達、めっちゃ久しぶりの再会なんだぜ。

もっとこう、あるだろ?

「何処で何してたの?」とか…。「何で帰ってこなかったの?」とか…。

再会の喜び的なものが…。…全く感じられないんだが?

別に、感動の抱擁をして欲しかった訳じゃないけどさ…。

「うわぁぁぁん!鼻打っちゃったよぉぉ」

シルナなんか、すぐりの糸に宙吊りにされた挙げ句、地面に顔面ダイブしちゃったし…。

「…仕方ない、シルナ。立て。さっさと戻るぞ」

「ふぇぇぇ…。痛かった…」

さすさす、と自分の鼻を撫でながら歩き出すシルナ。

既に涙目だが。

「…うるさいと思ったら、一体何の騒ぎです」

「あっ…。イレース…!」

そこに、しかめっ面のイレースとご対面。