神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

俺とシルナが、井戸を登っていった後。

「…さてと、ベリクリーデ」

「ほぇ?」

井戸の底に残っていた、ジュリスとベリクリーデは。

「俺達も、そろそろ動くとしよう」

「うん」

「その前に、少し撹乱だ。あいつらが逃げる時間を稼がなくちゃな」

「…かくらん?」

こてん、と首を傾げるベリクリーデ。

「大丈夫だ、いつもお前がやってることをやれば良い」

「何すれば良いの?」

「どっかーん、だ。ベリクリーデ。隠し通路、破壊してやれ。一部だけで良いぞ。騒ぎを大きくするだけ、」

「うん、分かった。どっかーん」

「話を最後まで聞けって!!」






井戸から這い上がって、全力で逃げ出した俺とシルナの背後から。

ちゅどーん、という花火みたいな音が聞こえたような気がするが。

多分気の所為ってことにしておこう。