…すると、ジュリスが。
「おっと、そうだった。その前に…nllusioi」
「え?」
ジュリスは俺とシルナに、それぞれ何やら魔法をかけてくれた。
「…何だ?」
「お前達に幻覚魔法をかけた。これで、お前らは二人共完全に別人に見られてるはずだ」
…あ。
何のことはない。ジュリスは、このファニレス王宮にかけられている魔法と、同じことをしたのだ。
俺とシルナは、互いに新聞の写真に載ってしまっている。
つまり、顔が知られているのだ。
その為、ジュリスは幻覚魔法で俺とシルナの姿を偽装。
お陰で俺もシルナも、この幻覚魔法の効果が消えるまでは、別人に変装している状態になる。
「国境検問所で止められたら困るだろ。小手先の変装みたいなもんだが、この国を出るまでは多分、大丈夫だ」
「…ジュリス君…。…何から何まで、本当にありがとう」
シルナは感激の涙さえ浮かべながら、ジュリスに感謝の言葉を告げた。
本当にな。一生足向けて眠れないよ。
元々、この二人に足を向けて寝ることは有り得ないが。
「感謝してるなら、必ず無事に帰れ。良いな?」
「あぁ。…お前達もな」
「さぁ、行け。早く」
ジュリスとベリクリーデに見送られながら。
俺とシルナは、ロープを掴んで井戸の底から這い上がった。
その先に、祖国が待っていると信じて。
「おっと、そうだった。その前に…nllusioi」
「え?」
ジュリスは俺とシルナに、それぞれ何やら魔法をかけてくれた。
「…何だ?」
「お前達に幻覚魔法をかけた。これで、お前らは二人共完全に別人に見られてるはずだ」
…あ。
何のことはない。ジュリスは、このファニレス王宮にかけられている魔法と、同じことをしたのだ。
俺とシルナは、互いに新聞の写真に載ってしまっている。
つまり、顔が知られているのだ。
その為、ジュリスは幻覚魔法で俺とシルナの姿を偽装。
お陰で俺もシルナも、この幻覚魔法の効果が消えるまでは、別人に変装している状態になる。
「国境検問所で止められたら困るだろ。小手先の変装みたいなもんだが、この国を出るまでは多分、大丈夫だ」
「…ジュリス君…。…何から何まで、本当にありがとう」
シルナは感激の涙さえ浮かべながら、ジュリスに感謝の言葉を告げた。
本当にな。一生足向けて眠れないよ。
元々、この二人に足を向けて寝ることは有り得ないが。
「感謝してるなら、必ず無事に帰れ。良いな?」
「あぁ。…お前達もな」
「さぁ、行け。早く」
ジュリスとベリクリーデに見送られながら。
俺とシルナは、ロープを掴んで井戸の底から這い上がった。
その先に、祖国が待っていると信じて。


