誰でも分かることなのに。
イーニシュフェルト魔導学院は世界に一つしかないって、誰でも分かるはずなのに…。
「…結局、学院長先生に断られて、そのキルディリアの学校はどうなったんですか?」
と、天音が尋ねた。
「結局…別の人間が学院長になって、予定通り開校したらしいよ。今も変わらず、学校は運営されているらしい」
…俺も知ってる。
「どうして…。キルディリア魔王国は、一体どうしてそこまでして…。魔導師を育てようと」
「…恐らくその理由こそ、キルディリア魔王国がアーリヤット皇国に侵攻した理由でもあるのでしょう」
天音の質問に、シュニィが答えた。
そういえば、侵攻の理由はまだ聞いていなかった。
「戦争する口実なんて、何でも良いでしょ?資源確保、領土拡大…」
「単に相手が嫌いだから、って理由もるよねー」
元暗殺者組の意見は、非常に単純明快。
そこはもうちょっと…オブラートに包んでくれよ。
でも実際、世界の戦争の原因って、大元を辿ればそれなんだよな。
相手の持つ資源や領土が欲しいから。相手が気に入らないから。
そんな理由で…と思うけれど。
それは、ルーデュニア聖王国が平和だからそう言えることなのだ。
「キルディリア魔王国は、小さな島国だったはずでは?いよいよ大陸にまで進出する気になりましたか」
と、キルディリア魔王国の地形を知るイレース。
「え。そこ島国なの?」
「うん。そんなに大きくはなくて…」
シルナは、机の上に置いてあった要らない紙に、簡単な地図を書いた。
ルーデュニア聖王国がこっち側で、そんでアーリヤット皇国もこっち側で…。
それから海を挟んで、ぽつんと小石を落としたかのように、小さな島国がある。
それが、キルディリア魔王国である。
「地図にすると、こんな感じかな…」
「ふーん。ちっちゃいね」
「こんな小さな島国が、大国のアーリヤット皇国を敵に回すなんて…。どうしてそんなことを?」
確かに、この国土の差を比較してみると…キルディリア魔王国に勝ち目はないように見える。
…しかし…。
キルディリアには、アーリヤット皇国にはない大きな強みがあるのだ。
「…それは…」
「魔導師軍でしょ?」
シュニィの言葉を先取りするように、マシュリが言った。
…そう。その通りだ。
「…魔導師軍?」
「えぇ…そうです。キルディリア魔王国の国軍…魔導師軍が、アーリヤット皇国に攻め込んでいるのです」
…やっぱり、そういうことだったか。
イーニシュフェルト魔導学院は世界に一つしかないって、誰でも分かるはずなのに…。
「…結局、学院長先生に断られて、そのキルディリアの学校はどうなったんですか?」
と、天音が尋ねた。
「結局…別の人間が学院長になって、予定通り開校したらしいよ。今も変わらず、学校は運営されているらしい」
…俺も知ってる。
「どうして…。キルディリア魔王国は、一体どうしてそこまでして…。魔導師を育てようと」
「…恐らくその理由こそ、キルディリア魔王国がアーリヤット皇国に侵攻した理由でもあるのでしょう」
天音の質問に、シュニィが答えた。
そういえば、侵攻の理由はまだ聞いていなかった。
「戦争する口実なんて、何でも良いでしょ?資源確保、領土拡大…」
「単に相手が嫌いだから、って理由もるよねー」
元暗殺者組の意見は、非常に単純明快。
そこはもうちょっと…オブラートに包んでくれよ。
でも実際、世界の戦争の原因って、大元を辿ればそれなんだよな。
相手の持つ資源や領土が欲しいから。相手が気に入らないから。
そんな理由で…と思うけれど。
それは、ルーデュニア聖王国が平和だからそう言えることなのだ。
「キルディリア魔王国は、小さな島国だったはずでは?いよいよ大陸にまで進出する気になりましたか」
と、キルディリア魔王国の地形を知るイレース。
「え。そこ島国なの?」
「うん。そんなに大きくはなくて…」
シルナは、机の上に置いてあった要らない紙に、簡単な地図を書いた。
ルーデュニア聖王国がこっち側で、そんでアーリヤット皇国もこっち側で…。
それから海を挟んで、ぽつんと小石を落としたかのように、小さな島国がある。
それが、キルディリア魔王国である。
「地図にすると、こんな感じかな…」
「ふーん。ちっちゃいね」
「こんな小さな島国が、大国のアーリヤット皇国を敵に回すなんて…。どうしてそんなことを?」
確かに、この国土の差を比較してみると…キルディリア魔王国に勝ち目はないように見える。
…しかし…。
キルディリアには、アーリヤット皇国にはない大きな強みがあるのだ。
「…それは…」
「魔導師軍でしょ?」
シュニィの言葉を先取りするように、マシュリが言った。
…そう。その通りだ。
「…魔導師軍?」
「えぇ…そうです。キルディリア魔王国の国軍…魔導師軍が、アーリヤット皇国に攻め込んでいるのです」
…やっぱり、そういうことだったか。


