井戸には、太いロープが1本だけ吊り下がっていて。
それに掴まれば、何とか降りられそうだったが…。
…この井戸を降りるのは、なかなか勇気が要るぞ。
ホラー映画なら、俺もベリーシュも、今頃井戸の封印を解いた愚か者として、呪われているところだろうな。
なんて、俺が縁起でもないことを考えていると。
「…?どうしたの、ジュリス。先に行くよ?」
「あ、いや…ちょ、ちょっと待て」
まったく恐れ知らずのベリーシュは、さっさとロープを掴み、井戸の縁に足をかけていた。
お前、ほんと度胸あるな。
躊躇ってる俺が情けなくなってくるじゃないか。
「?何?」
「ベリーシュ、お前は2番手だ。俺が先に行くよ」
え?レディーファーストじゃないのか、って?
今だけはな。
もし、ロープがブチッと切れて、井戸の底に真っ逆さま…なんてことになっちゃいけない。
それに、本当にこの中に隠し通路があるかどうかは、まだ分からないのだ。
ベリーシュに危険を犯させる訳にはいかたい。
「でも、ジュリス…」
「良いから。俺が先に降りて先導する」
「…うん、分かった。くれぐれも気をつけてね」
そのつもりだ。
俺だって、ここまで長く生きてきたのに。
井戸の底に頭を叩きつけて死亡、なんて御免被るからな。
俺はロープをしっかりと掴み、軽く引っ張ってみた。
…古びてはいるが、ロープ自体はしっかりしてるな。
これなら、大丈夫だ。
俺は井戸の縁に足をかけ、ロープを手繰って、井戸の底に降り始めた。
うわぁ。スリルある。
まったく何やってるんだ、と思うけど。
こんな国に自ら足を踏み入れた時点で、今更だよな。
そのまま、俺は下へ、下へとゆっくり降っていた。
降りるに従って、段々と陽の光が届かなくなり、代わりに、朧気ながら井戸の底が見え始めた。
真っ暗闇の井戸の底に、水面が揺らめいているのが目に入った。
しかし、それは見かけだけだった。
降りきった井戸の底は、既に干上がっていた。
水面に見えたのは、小さな水たまりに過ぎなかった。
恐らく、雨水が滲みて溜まったのだろう。
充分に足が着く。…これなら大丈夫だ。
「ジュリス!大丈夫!?」
井戸の上から、ベリーシュが大声で声をかけてきた。
「ロープ、引き上げようか!?」
「いや、大丈夫だ!ちゃんと底に着いた。気をつけて降りてきてくれ!」
「分かった!すぐ行く!」
ベリーシュが大声で答え、ベリーシュもロープを掴み、下降を開始した。
頼りになる女だよ、あいつは。
ベリーシュは少しずつ、ロープを伝って降りてきた。
二人で、井戸の底に到達。
さすがに狭いな。
「大丈夫か?ベリーシュ」
暗くて、顔がよく見えないが。
「うん。ジュリスも無事で良かった」
ベリーシュは少しも恐がっている様子はなく、いつも通りしっかりとした受け答えだった。
…さすが。
それに掴まれば、何とか降りられそうだったが…。
…この井戸を降りるのは、なかなか勇気が要るぞ。
ホラー映画なら、俺もベリーシュも、今頃井戸の封印を解いた愚か者として、呪われているところだろうな。
なんて、俺が縁起でもないことを考えていると。
「…?どうしたの、ジュリス。先に行くよ?」
「あ、いや…ちょ、ちょっと待て」
まったく恐れ知らずのベリーシュは、さっさとロープを掴み、井戸の縁に足をかけていた。
お前、ほんと度胸あるな。
躊躇ってる俺が情けなくなってくるじゃないか。
「?何?」
「ベリーシュ、お前は2番手だ。俺が先に行くよ」
え?レディーファーストじゃないのか、って?
今だけはな。
もし、ロープがブチッと切れて、井戸の底に真っ逆さま…なんてことになっちゃいけない。
それに、本当にこの中に隠し通路があるかどうかは、まだ分からないのだ。
ベリーシュに危険を犯させる訳にはいかたい。
「でも、ジュリス…」
「良いから。俺が先に降りて先導する」
「…うん、分かった。くれぐれも気をつけてね」
そのつもりだ。
俺だって、ここまで長く生きてきたのに。
井戸の底に頭を叩きつけて死亡、なんて御免被るからな。
俺はロープをしっかりと掴み、軽く引っ張ってみた。
…古びてはいるが、ロープ自体はしっかりしてるな。
これなら、大丈夫だ。
俺は井戸の縁に足をかけ、ロープを手繰って、井戸の底に降り始めた。
うわぁ。スリルある。
まったく何やってるんだ、と思うけど。
こんな国に自ら足を踏み入れた時点で、今更だよな。
そのまま、俺は下へ、下へとゆっくり降っていた。
降りるに従って、段々と陽の光が届かなくなり、代わりに、朧気ながら井戸の底が見え始めた。
真っ暗闇の井戸の底に、水面が揺らめいているのが目に入った。
しかし、それは見かけだけだった。
降りきった井戸の底は、既に干上がっていた。
水面に見えたのは、小さな水たまりに過ぎなかった。
恐らく、雨水が滲みて溜まったのだろう。
充分に足が着く。…これなら大丈夫だ。
「ジュリス!大丈夫!?」
井戸の上から、ベリーシュが大声で声をかけてきた。
「ロープ、引き上げようか!?」
「いや、大丈夫だ!ちゃんと底に着いた。気をつけて降りてきてくれ!」
「分かった!すぐ行く!」
ベリーシュが大声で答え、ベリーシュもロープを掴み、下降を開始した。
頼りになる女だよ、あいつは。
ベリーシュは少しずつ、ロープを伝って降りてきた。
二人で、井戸の底に到達。
さすがに狭いな。
「大丈夫か?ベリーシュ」
暗くて、顔がよく見えないが。
「うん。ジュリスも無事で良かった」
ベリーシュは少しも恐がっている様子はなく、いつも通りしっかりとした受け答えだった。
…さすが。


