信じられない。
ここまでやるのか。あいつら。
この新聞記事を俺達に見られたらキレられると分かって、この情報からは徹底的に遮断して。
さも、俺達がキルディリア魔王国に寝返ったかのように、国民達に宣伝して…。
別に、今は虚偽の報道でも良いのだ。
後に、これを事実にすれば良い。
俺とシルナが首を縦に振れば、すぐにでもこの新聞記事は事実となる。
つまり、あいつらは本気なのだ。
今は反対していても、いずれは俺達が屈すると分かっている。
いや…違うな。
最終的には、どんな手段を使っても、この新聞記事を真実にするつもりなのだ。
「シルナ…これ…」
「…うん…」
シルナも、さすがに青ざめていた。
まさか、ここまでやるとは思ってなかった。
ジュリス達が、この新聞記事を届けてくれなかったら…どうなっていたことか。
青ざめている俺達とは対照的に。
ジュリスは、ホッとした様子だった。
「…良かったよ」
「え…?」
この状況で、何が良かったと…。
「お前達が本気で、キルディリアに寝返ったんじゃないって分かったから」
「…それは…有り得ないよ」
「そうだよな。信じてはいたけど…。どうやらその様子じゃ、洗脳されてる訳でもなさそうだしな」
洗脳だって。
怖いこと言わないでくれ。あいつらならやりかねない。
「…それで、ジュリス君とベリクリーデちゃんは」
何とか冷静さを取り戻したシルナが、今度はジュリスに尋ねた。
「君達は、どうしてここに…キルディリア魔王国にいるの?」
…そうだ。それも聞かなければ。
新聞記事のインパクトが強過ぎて、危うく忘れるところだった。
「シュニィちゃんの指示?フユリ様の命令、とか…?」
「あー…。えーと…。…それは…まぁ、色々あってな…」
…何で言い淀むんだ?
目が泳いでるぞ、ジュリス。
「あのね、クロティルダを探しに来たんだよ」
ジュリスの代わりに、ベリクリーデがそう答えた。
は?クロティルダ?
「…誰?」
「昔の私のすっごく大事な人」
ますます、誰?
「まぁ良いじゃないか、そんなことは」
ジュリスが強引に、話を終わらせようとした。
「俺達のことは気にするな。イシュメル女王とやらも、さすがに俺とベリクリーデのことまではノータッチだろう」
「ジュリス…だけど…」
「それでお前ら、これからどうするつもりだ?」
「…」
改めて、ジュリスにそう聞かれ。
俺は言葉に窮してしまった。だけど…。
「帰らなきゃいけない。ルーデュニア聖王国に」
そんな俺の代わりに、シルナがきっぱりと、俺達の示す答えを口にした。
「このまま、イシュメル女王の手練手管に乗せられる訳にはいかない。何としても、私達はルーデュニア聖王国に帰る」
「…シルナ…」
そうだな。その通りだ。
キルディリア魔王国の上級魔導師になんて、なりたくない。
何としても俺達は、あの居心地の良い居場所に帰るのだ。
ここまでやるのか。あいつら。
この新聞記事を俺達に見られたらキレられると分かって、この情報からは徹底的に遮断して。
さも、俺達がキルディリア魔王国に寝返ったかのように、国民達に宣伝して…。
別に、今は虚偽の報道でも良いのだ。
後に、これを事実にすれば良い。
俺とシルナが首を縦に振れば、すぐにでもこの新聞記事は事実となる。
つまり、あいつらは本気なのだ。
今は反対していても、いずれは俺達が屈すると分かっている。
いや…違うな。
最終的には、どんな手段を使っても、この新聞記事を真実にするつもりなのだ。
「シルナ…これ…」
「…うん…」
シルナも、さすがに青ざめていた。
まさか、ここまでやるとは思ってなかった。
ジュリス達が、この新聞記事を届けてくれなかったら…どうなっていたことか。
青ざめている俺達とは対照的に。
ジュリスは、ホッとした様子だった。
「…良かったよ」
「え…?」
この状況で、何が良かったと…。
「お前達が本気で、キルディリアに寝返ったんじゃないって分かったから」
「…それは…有り得ないよ」
「そうだよな。信じてはいたけど…。どうやらその様子じゃ、洗脳されてる訳でもなさそうだしな」
洗脳だって。
怖いこと言わないでくれ。あいつらならやりかねない。
「…それで、ジュリス君とベリクリーデちゃんは」
何とか冷静さを取り戻したシルナが、今度はジュリスに尋ねた。
「君達は、どうしてここに…キルディリア魔王国にいるの?」
…そうだ。それも聞かなければ。
新聞記事のインパクトが強過ぎて、危うく忘れるところだった。
「シュニィちゃんの指示?フユリ様の命令、とか…?」
「あー…。えーと…。…それは…まぁ、色々あってな…」
…何で言い淀むんだ?
目が泳いでるぞ、ジュリス。
「あのね、クロティルダを探しに来たんだよ」
ジュリスの代わりに、ベリクリーデがそう答えた。
は?クロティルダ?
「…誰?」
「昔の私のすっごく大事な人」
ますます、誰?
「まぁ良いじゃないか、そんなことは」
ジュリスが強引に、話を終わらせようとした。
「俺達のことは気にするな。イシュメル女王とやらも、さすがに俺とベリクリーデのことまではノータッチだろう」
「ジュリス…だけど…」
「それでお前ら、これからどうするつもりだ?」
「…」
改めて、ジュリスにそう聞かれ。
俺は言葉に窮してしまった。だけど…。
「帰らなきゃいけない。ルーデュニア聖王国に」
そんな俺の代わりに、シルナがきっぱりと、俺達の示す答えを口にした。
「このまま、イシュメル女王の手練手管に乗せられる訳にはいかない。何としても、私達はルーデュニア聖王国に帰る」
「…シルナ…」
そうだな。その通りだ。
キルディリア魔王国の上級魔導師になんて、なりたくない。
何としても俺達は、あの居心地の良い居場所に帰るのだ。


