「…シルナ…」
「…うん」
さすがに、シルナも暗い顔だった。
ルーデュニア聖王国を人質に取られると、俺としても自由に動けない。
だからこそ、今、俺達はこの国に留め置かれているのだ。
「あんた…それは卑怯だろ。俺とシルナが亡命するかどうかと、ルーデュニア聖王国に戦争を仕掛けることと、どう関係があるんだ」
「我々としても、手荒な真似はしたくないのです」
絶賛戦争中の国が、何言ってるんだ?
「我々はただ、アーリヤット皇国撃滅の目的の為、そしてこれ以上魔導師達が迫害されることのない国を作る為に、あなた方に協力して欲しいのです」
「そのやり方が間違ってるって言ってるんだよ。魔導師が迫害されない為なら、非魔導師を迫害しても良いって言うのか?」
それじゃ、いじめられたくないが為に、いじめる側に回るのと同じじゃないか。
その憎しみの連鎖が、更なる悲劇を生み出すんだってことが分からないのか。
「ですから、その為に魔導師は…」
と、サクメが言いかけたその時。
「サクメ様!」
「どうした」
客室に、顔を真っ青にした王城兵の一人が飛び込んできた。
な、何事だ?
「ここはシルナ様と羽久様のお部屋だ。勝手に入るなど無礼だろう」
いや、別に俺達、大したもんじゃないから。
普通に入ってきてくれて大丈夫だぞ。
「も、申し訳ございません。で、ですが…」
「何だ?」
「それが…その…」
その王城兵は、サクメの耳元で何やら伝えた。
あまりに小さな声で、俺には聞こえなかったが。
それを聞くなり、サクメの表情が一変したので。
何か、大変なことが起きたのだということは分かった。
「何だと…!?見張りは何をしていた?」
「そ、それが…気絶させられていて…」
き、気絶?
何だか不穏な言葉が聞こえたが。
「ちっ…。仕方ない、俺が出る」
…?
サクメは、くるりとこちらを向いた。
「お騒がせしてしまい、申し訳ありません」
「いや…。別に良いけど、何なんだ?一体」
「いえ、お二人が気にするようなことではありませんから」
何だよ。目の前でそんな思わせぶりなこと言われたら、気になるだろ。
「くれぐれも、しばらく部屋を出ないようにお願いします」
「は、はぁ…」
「それでは、失礼致します」
部屋から出るな、と念を押してから。
シディ・サクメは、危機を伝えに来た王城兵と共に、客室から出ていった。
…何だったんだ?
「シルナ…。…どうしたんだろう?あいつら、いきなり…」
「さぁ…?」
二人で、首を傾げていた。
…その時だった。
「おい、本当にここなのか…!?」
「うーん、多分そう…。…あ、ほら。着いたー」
「ちょ、そんな迂闊に…!…あっ」
客室の、使われていないアンティークな暖炉の中から。
めちゃくちゃ見覚えのある人物が二人、ススまみれで現れた。
「…うん」
さすがに、シルナも暗い顔だった。
ルーデュニア聖王国を人質に取られると、俺としても自由に動けない。
だからこそ、今、俺達はこの国に留め置かれているのだ。
「あんた…それは卑怯だろ。俺とシルナが亡命するかどうかと、ルーデュニア聖王国に戦争を仕掛けることと、どう関係があるんだ」
「我々としても、手荒な真似はしたくないのです」
絶賛戦争中の国が、何言ってるんだ?
「我々はただ、アーリヤット皇国撃滅の目的の為、そしてこれ以上魔導師達が迫害されることのない国を作る為に、あなた方に協力して欲しいのです」
「そのやり方が間違ってるって言ってるんだよ。魔導師が迫害されない為なら、非魔導師を迫害しても良いって言うのか?」
それじゃ、いじめられたくないが為に、いじめる側に回るのと同じじゃないか。
その憎しみの連鎖が、更なる悲劇を生み出すんだってことが分からないのか。
「ですから、その為に魔導師は…」
と、サクメが言いかけたその時。
「サクメ様!」
「どうした」
客室に、顔を真っ青にした王城兵の一人が飛び込んできた。
な、何事だ?
「ここはシルナ様と羽久様のお部屋だ。勝手に入るなど無礼だろう」
いや、別に俺達、大したもんじゃないから。
普通に入ってきてくれて大丈夫だぞ。
「も、申し訳ございません。で、ですが…」
「何だ?」
「それが…その…」
その王城兵は、サクメの耳元で何やら伝えた。
あまりに小さな声で、俺には聞こえなかったが。
それを聞くなり、サクメの表情が一変したので。
何か、大変なことが起きたのだということは分かった。
「何だと…!?見張りは何をしていた?」
「そ、それが…気絶させられていて…」
き、気絶?
何だか不穏な言葉が聞こえたが。
「ちっ…。仕方ない、俺が出る」
…?
サクメは、くるりとこちらを向いた。
「お騒がせしてしまい、申し訳ありません」
「いや…。別に良いけど、何なんだ?一体」
「いえ、お二人が気にするようなことではありませんから」
何だよ。目の前でそんな思わせぶりなこと言われたら、気になるだろ。
「くれぐれも、しばらく部屋を出ないようにお願いします」
「は、はぁ…」
「それでは、失礼致します」
部屋から出るな、と念を押してから。
シディ・サクメは、危機を伝えに来た王城兵と共に、客室から出ていった。
…何だったんだ?
「シルナ…。…どうしたんだろう?あいつら、いきなり…」
「さぁ…?」
二人で、首を傾げていた。
…その時だった。
「おい、本当にここなのか…!?」
「うーん、多分そう…。…あ、ほら。着いたー」
「ちょ、そんな迂闊に…!…あっ」
客室の、使われていないアンティークな暖炉の中から。
めちゃくちゃ見覚えのある人物が二人、ススまみれで現れた。


