あのな。俺はずっと、この国の魔導師達に聞きたかったんだが。
「…なぁ、あんた。これがもし、自分の家族だったら」
「はぁ?」
俺は、銀色の証明書をぶら下げたその店員に、ずっと疑問に思っていたことをぶつけた。
「こんな差別的な扱いを受けてるのが、もし自分の家族だったら、あんた、同じことが言えるか?」
自分の大切な人が、非魔導師だったら。青カード持ちだったら。
ただ魔法が使えないってだけで、こんな酷い扱いを受けてたら。
許せない、理不尽だ、って思うのが当然だろう?…今の俺のように。
…しかし。
「…?家族だろうと何だろうと、仕方ないじゃないですか。だって魔導師じゃないんだから」
「…」
魔導師じゃないのが悪い、と?
どんなに酷い扱いを受けたって、それはその人に魔導適性がないのが悪いのであって。
自分達が、いかに惨いことをしているのか全然分かっていない。
むしろ、それを当たり前のことだと思っている…。
…あぁ、そうかい。
それが、この国の当たり前の価値観なんだな。
…クソ喰らえだ、そんなもの。
「…あぁ、もう良い。問答してる時間が惜しい」
「…はぁ…」
「じゃ、もう店の中に座らせろとは言わない。…ここ、テイクアウトは出来るよな?」
店の出入り口に、非魔導師お断り、のステッカーの横に。
テイクアウト可能、のステッカーも貼ってあった。
「はい、可能ですが…」
「なら、アイスティーを二つ。俺はレモンで…。…ベリーシュ、レモンとミルクどっちにする?」
「そのまま、ストレートが良いかな」
「それじゃ、もう一つはストレートで」
「はぁ、かしこまりました…」
店の外で飲むなら良いだろ。畜生めが。
店内でブチギレなかった俺に感謝しろ。
「少々お待ち下さい」
「あぁ」
さっさとしてくれ。俺はもう、さっさとこの店から出たい。
「…ジュリス、私、外で待ってるね」
ベリーシュが俺に、こっそりと小声で告げた。
別に、店の中で一緒に待ってりゃ良いじゃん、と思ったが。
頭に血を上らせている俺と違って。
ベリーシュは、さっきから店内の別の客達が、ちらちらとこちらを見ていることに気づいていた。
俺達が店の入り口で揉めてるから、気になったのだろう。
そしてその客の中には、露骨に顔をしかめる者もいた。
…ベリーシュが首から下げている証明書が青いことに、気づいていたんだろう。
『青カード』が、何やらぐずぐずと揉めている、と思ったんだろうな。
見世物じゃねぇんだぞ。
ベリーシュはこれ以上の揉め事を避けようと、自らが身を引くことで、この場を穏便に切り抜けようとした。
…俺よりよっぽど大人だよ。ベリーシュは。
「…分かった。すぐ持って行くから」
「うん、ありがとう」
ベリーシュは一人で、先に店を出た。
しかし、これがまた間違いだった。
「…なぁ、あんた。これがもし、自分の家族だったら」
「はぁ?」
俺は、銀色の証明書をぶら下げたその店員に、ずっと疑問に思っていたことをぶつけた。
「こんな差別的な扱いを受けてるのが、もし自分の家族だったら、あんた、同じことが言えるか?」
自分の大切な人が、非魔導師だったら。青カード持ちだったら。
ただ魔法が使えないってだけで、こんな酷い扱いを受けてたら。
許せない、理不尽だ、って思うのが当然だろう?…今の俺のように。
…しかし。
「…?家族だろうと何だろうと、仕方ないじゃないですか。だって魔導師じゃないんだから」
「…」
魔導師じゃないのが悪い、と?
どんなに酷い扱いを受けたって、それはその人に魔導適性がないのが悪いのであって。
自分達が、いかに惨いことをしているのか全然分かっていない。
むしろ、それを当たり前のことだと思っている…。
…あぁ、そうかい。
それが、この国の当たり前の価値観なんだな。
…クソ喰らえだ、そんなもの。
「…あぁ、もう良い。問答してる時間が惜しい」
「…はぁ…」
「じゃ、もう店の中に座らせろとは言わない。…ここ、テイクアウトは出来るよな?」
店の出入り口に、非魔導師お断り、のステッカーの横に。
テイクアウト可能、のステッカーも貼ってあった。
「はい、可能ですが…」
「なら、アイスティーを二つ。俺はレモンで…。…ベリーシュ、レモンとミルクどっちにする?」
「そのまま、ストレートが良いかな」
「それじゃ、もう一つはストレートで」
「はぁ、かしこまりました…」
店の外で飲むなら良いだろ。畜生めが。
店内でブチギレなかった俺に感謝しろ。
「少々お待ち下さい」
「あぁ」
さっさとしてくれ。俺はもう、さっさとこの店から出たい。
「…ジュリス、私、外で待ってるね」
ベリーシュが俺に、こっそりと小声で告げた。
別に、店の中で一緒に待ってりゃ良いじゃん、と思ったが。
頭に血を上らせている俺と違って。
ベリーシュは、さっきから店内の別の客達が、ちらちらとこちらを見ていることに気づいていた。
俺達が店の入り口で揉めてるから、気になったのだろう。
そしてその客の中には、露骨に顔をしかめる者もいた。
…ベリーシュが首から下げている証明書が青いことに、気づいていたんだろう。
『青カード』が、何やらぐずぐずと揉めている、と思ったんだろうな。
見世物じゃねぇんだぞ。
ベリーシュはこれ以上の揉め事を避けようと、自らが身を引くことで、この場を穏便に切り抜けようとした。
…俺よりよっぽど大人だよ。ベリーシュは。
「…分かった。すぐ持って行くから」
「うん、ありがとう」
ベリーシュは一人で、先に店を出た。
しかし、これがまた間違いだった。


