腰を下ろせそうな喫茶店は、確かにいくつもあった。
大通りでは、お洒落なオープンテラスのカフェで、飲み物を楽しんでいる人々の姿が見られた。
だけど、そういう店は軒並み、入店を断られた。
店に入ると、まず、魔導師証明書の提示を求められ。
俺の持つオレンジ色の証明書だと、何の問題もなく歓迎される。
でも、その次にベリーシュの証明書を見せると…。
非魔導師であることを示す、その青いカードを見ると、店員は露骨に顔をしかめ。
青カードは入店出来ません、と門前払い。
でもな、そのくらいなら、まだマシ。
ハナから店の看板に、『青カード入店お断り』のステッカーを貼っている店も、多々見受けられた。
人種差別も甚だしい。
そのステッカー、引っ剥がして、そして引き千切ってやりたかった。
「…あー…。…申し訳ありません、お客様。当店は、『青カード』は立ち入りを禁止しているんです」
これで、もう何軒目か。
俺達はただ、腰を下ろして、ゆっくり飲み物でも飲みたいだけなのに。
ベリーシュの青い証明書を見せるなり、こうして入店を拒否される。
…さすがの俺も、爆発寸前。
「…何で駄目なんだよ?」
納得が行かなくて、俺は抗議した。
「何でと言われましても…。…当店は魔導師のお客様専用となっておりまして…」
「別に良いだろ。そいつと同じ席に座る訳じゃないんだから」
「ですが…。『青カード』が入店しているのを見ると、気分を害するお客様がいらっしゃるので…」
首から下げてるカードの色が違うだけで、気分を害するってのか?
意味不明。
別に、大騒ぎしたり、無銭飲食しようって訳じゃない。
それなのに…。
「とにかく、当店では無理ですから。オレンジカードのお客様だけでしたら、歓迎しますが」
「俺だけ入ってどうすんだよ。ふざけんな」
俺が優雅に座って紅茶を啜ってる間。
ベリーシュは、店の外で待ちぼうけってか?
ふざけたことばっか言いやがって。いい加減ぶん殴ってやろうか、この差別主義者共め。
「じゃ、何処に行けば良いんだよ?」
「そう申されましても…」
「…ジュリス、もう良いよ」
ベリーシュが、またしても。
興奮する俺に、小声でそう制した。
「私は大丈夫だから。気にしないで。外で待ってるから、ジュリスだけで…」
「馬鹿、ふざけんな。お前だけ残していける訳ないだろ」
ただでさえ、ベリーシュだけ別のホテルに泊まらせたり。
列車でも、ベリーシュだけ劣悪な3等車に乗せて、俺は優雅に2等車に乗って。
俺の中では、既に耐え難いレベルの鬱憤が溜まっている。
この上、ベリーシュだけ外で待たせて、俺だけ腰を下ろしてゆっくりティータイム、なんて。
それなら、一緒に外で水でも飲んでる方がマシだよ。
しかし、俺の目の前にいる頭の固い店員は。
俺が一体何に怒ってるのか分からないようで、首を傾げていた。
「おかしなこと言う客だなぁ」とでも思ってるんだろうか。
…おかしいのは、あんたの方だよ。
大通りでは、お洒落なオープンテラスのカフェで、飲み物を楽しんでいる人々の姿が見られた。
だけど、そういう店は軒並み、入店を断られた。
店に入ると、まず、魔導師証明書の提示を求められ。
俺の持つオレンジ色の証明書だと、何の問題もなく歓迎される。
でも、その次にベリーシュの証明書を見せると…。
非魔導師であることを示す、その青いカードを見ると、店員は露骨に顔をしかめ。
青カードは入店出来ません、と門前払い。
でもな、そのくらいなら、まだマシ。
ハナから店の看板に、『青カード入店お断り』のステッカーを貼っている店も、多々見受けられた。
人種差別も甚だしい。
そのステッカー、引っ剥がして、そして引き千切ってやりたかった。
「…あー…。…申し訳ありません、お客様。当店は、『青カード』は立ち入りを禁止しているんです」
これで、もう何軒目か。
俺達はただ、腰を下ろして、ゆっくり飲み物でも飲みたいだけなのに。
ベリーシュの青い証明書を見せるなり、こうして入店を拒否される。
…さすがの俺も、爆発寸前。
「…何で駄目なんだよ?」
納得が行かなくて、俺は抗議した。
「何でと言われましても…。…当店は魔導師のお客様専用となっておりまして…」
「別に良いだろ。そいつと同じ席に座る訳じゃないんだから」
「ですが…。『青カード』が入店しているのを見ると、気分を害するお客様がいらっしゃるので…」
首から下げてるカードの色が違うだけで、気分を害するってのか?
意味不明。
別に、大騒ぎしたり、無銭飲食しようって訳じゃない。
それなのに…。
「とにかく、当店では無理ですから。オレンジカードのお客様だけでしたら、歓迎しますが」
「俺だけ入ってどうすんだよ。ふざけんな」
俺が優雅に座って紅茶を啜ってる間。
ベリーシュは、店の外で待ちぼうけってか?
ふざけたことばっか言いやがって。いい加減ぶん殴ってやろうか、この差別主義者共め。
「じゃ、何処に行けば良いんだよ?」
「そう申されましても…」
「…ジュリス、もう良いよ」
ベリーシュが、またしても。
興奮する俺に、小声でそう制した。
「私は大丈夫だから。気にしないで。外で待ってるから、ジュリスだけで…」
「馬鹿、ふざけんな。お前だけ残していける訳ないだろ」
ただでさえ、ベリーシュだけ別のホテルに泊まらせたり。
列車でも、ベリーシュだけ劣悪な3等車に乗せて、俺は優雅に2等車に乗って。
俺の中では、既に耐え難いレベルの鬱憤が溜まっている。
この上、ベリーシュだけ外で待たせて、俺だけ腰を下ろしてゆっくりティータイム、なんて。
それなら、一緒に外で水でも飲んでる方がマシだよ。
しかし、俺の目の前にいる頭の固い店員は。
俺が一体何に怒ってるのか分からないようで、首を傾げていた。
「おかしなこと言う客だなぁ」とでも思ってるんだろうか。
…おかしいのは、あんたの方だよ。


