「魔導師のお客様だけでしたら、何処でも宿泊出来るんですけど…。青カードのお客様はねぇ…」
「…」
「意地を張らずに、別々に宿泊した方が良いんじゃないですか?」
…あのな。
俺は何も、意地を張ってる訳じゃない。
何で、一緒に旅行に来た相手と、別々のホテルに宿泊しなきゃいけないんだよ?
有り得ないだろ、そんなこと。
それなのにこの国では、その「有り得ないこと」が、当たり前のようにまかり通った。
…そうと知っていれば、是が非でもベリクリーデに、オレンジ色の証明書を取得させたものを。
「…何処でも良い。一緒に泊まれる場所はないのか?」
「うーん…。ちょっと難しいですねぇ。ウチは青カードの客専用なんで…。魔導師のお客様はちょっと…」
「じゃ、魔導師も、非魔導師も泊まれる場所は何処なんだ?」
「いやぁ、それはまず無理だと思いますよ。魔導師なら誰だって、『青カード』なんかと同じ屋根の下に泊まりたくないでしょう?いくら部屋が違ってても」
…何笑いながら言ってんだ?あんた。
平ッ然と…差別発言を口にする。
人は生まれながらにして平等な生き物なんだから、差別しちゃいけないって学校で習わなかったのか?
キルディリア魔王国の道徳の教科書、1回読んでみたい。
「別に良いじゃないですか?別々のホテルに宿泊しても。翌日、また待ち合わせして合流すれば」
「あのなぁ、そういう問題じゃ…」
「だって、このままうろうろ探してたって、見つかりませんよ?魔導師のお客様と青カードが一緒に泊まれるホテルなんて」
「…」
「仮にあったとしても、そういうホテルは魔導師のお客様が優先なので、満室だと青カードは部屋から追い出される可能性もありますからね。おすすめ出来ませんねぇ」
まったくもって、意味不明。
腹が立つから、こいつ、殴りつけてやろうかと思った。
…だけど。
「…ジュリス、私、ここに泊まる」
ずっと黙って、侮蔑に耐え忍んでいたベリクリーデが。
ついに口を開いて、あろうことかそう言った。
「ベリクリーデ…!」
「…別々に泊まるしかないんでしょ?」
「…」
ベリクリーデは常日頃、突拍子もないことばっかり言ったりしたりするし、言動も子供っぽい。
だけど、我儘ではない。
駄目だと言われれば、素直に受け入れる。
…だからって、そんな寂しそうな顔して。
「明日になったら会えるんでしょ…?…だったら、我慢する」
「…ベリクリーデ…。…良いのか?」
「だって、そうするしかないって…」
「…」
ベリクリーデの言う通りだった。
ここでゴネても、何にもならない。この国の道理を曲げることは出来ない。
俺よりもベリクリーデの方が、よっぽど聞き分けが良い…。
「…分かった。じゃあ明日、一番に迎えに来るから」
「うん」
「それまで一人で…大丈夫か?耐えられるか?」
「…頑張る…」
頼りない返事ではあったが、ベリクリーデは確かに頷いた。
…何だろう。
ちっちゃい子を、初めてお泊まり保育に送り出す親になった気分。
「…」
「意地を張らずに、別々に宿泊した方が良いんじゃないですか?」
…あのな。
俺は何も、意地を張ってる訳じゃない。
何で、一緒に旅行に来た相手と、別々のホテルに宿泊しなきゃいけないんだよ?
有り得ないだろ、そんなこと。
それなのにこの国では、その「有り得ないこと」が、当たり前のようにまかり通った。
…そうと知っていれば、是が非でもベリクリーデに、オレンジ色の証明書を取得させたものを。
「…何処でも良い。一緒に泊まれる場所はないのか?」
「うーん…。ちょっと難しいですねぇ。ウチは青カードの客専用なんで…。魔導師のお客様はちょっと…」
「じゃ、魔導師も、非魔導師も泊まれる場所は何処なんだ?」
「いやぁ、それはまず無理だと思いますよ。魔導師なら誰だって、『青カード』なんかと同じ屋根の下に泊まりたくないでしょう?いくら部屋が違ってても」
…何笑いながら言ってんだ?あんた。
平ッ然と…差別発言を口にする。
人は生まれながらにして平等な生き物なんだから、差別しちゃいけないって学校で習わなかったのか?
キルディリア魔王国の道徳の教科書、1回読んでみたい。
「別に良いじゃないですか?別々のホテルに宿泊しても。翌日、また待ち合わせして合流すれば」
「あのなぁ、そういう問題じゃ…」
「だって、このままうろうろ探してたって、見つかりませんよ?魔導師のお客様と青カードが一緒に泊まれるホテルなんて」
「…」
「仮にあったとしても、そういうホテルは魔導師のお客様が優先なので、満室だと青カードは部屋から追い出される可能性もありますからね。おすすめ出来ませんねぇ」
まったくもって、意味不明。
腹が立つから、こいつ、殴りつけてやろうかと思った。
…だけど。
「…ジュリス、私、ここに泊まる」
ずっと黙って、侮蔑に耐え忍んでいたベリクリーデが。
ついに口を開いて、あろうことかそう言った。
「ベリクリーデ…!」
「…別々に泊まるしかないんでしょ?」
「…」
ベリクリーデは常日頃、突拍子もないことばっかり言ったりしたりするし、言動も子供っぽい。
だけど、我儘ではない。
駄目だと言われれば、素直に受け入れる。
…だからって、そんな寂しそうな顔して。
「明日になったら会えるんでしょ…?…だったら、我慢する」
「…ベリクリーデ…。…良いのか?」
「だって、そうするしかないって…」
「…」
ベリクリーデの言う通りだった。
ここでゴネても、何にもならない。この国の道理を曲げることは出来ない。
俺よりもベリクリーデの方が、よっぽど聞き分けが良い…。
「…分かった。じゃあ明日、一番に迎えに来るから」
「うん」
「それまで一人で…大丈夫か?耐えられるか?」
「…頑張る…」
頼りない返事ではあったが、ベリクリーデは確かに頷いた。
…何だろう。
ちっちゃい子を、初めてお泊まり保育に送り出す親になった気分。


