今更になって、俺は自分の判断に激しく後悔した。
やっぱり無理にでも、ベリクリーデに魔法を使わせて。
ベリクリーデもオレンジカードをもらっていれば、こんなことには…。
…だが。
何度考え直しても、あの時はあれが最善の判断だった。
そう思うしかなかった。
だって、まさか証明書の色によって泊まるホテルが違うなんて、誰も思わないだろ。
…こうなったら。
「ベリクリーデの証明書でも泊まれるホテルに行こう」
あのホテルマン、安いボロホテルにでも泊まれ、って言ってたよな?
ってことは、ちゃんと青カードでも泊まれるホテルが、何処かにあるのだ。
この際、ホテルのグレードなんてどうでも良い。
「もう少し頑張れるか、ベリクリーデ」
「うん。大丈夫」
強がってはいるけれど、ベリクリーデも多分、相当疲れているはずだ。
早く、今夜の宿を見つけなくては…。
俺達はしばらく、出来るだけ人気(ひとけ)の少ない方に、少ない方に歩いていった。
すると、ようやく。
外壁がところどころ剥がれ、掠れた小さな看板が立っているだけの、小さなモーテルを見つけた。
…ここなら。
「あのー…。すみません」
そっと玄関から入っていくと、フロントには、やる気がなさそうに頬杖をついたフロント係が座っていた。
「あぁ、どうも…」
「あの…二人なんだけど、部屋は空いて…」
「はいはい。部屋ならいくつでも…。…え?」
え?
フロント係は、びっくりして俺を見つめていた。
…俺を、と言うか…俺の首にかけた証明書を。
それがオレンジ色をしていることに気づいて、フロント係は飛び上がった。
そして、慌てて姿勢を直すではないか。
「これは、大変失礼致しました。魔導師のお客様ですね」
「…まぁ、そうだけど」
「本当に申し訳ございません。てっきり、『青カード』だとばかり…」
「…」
『青カード』だったら、あんな横柄な態度を取っても許される、と?
冗談じゃねぇ。
「でも…魔導師のお客様が、どうしてこんな宿に…?」
「こんな」って、自分のところのモーテルだろうよ。
「…俺はこの通りオレンジのカードだが、連れは青いカードなんでね」
「あぁ…。…そういうことですか」
やれやれ、みたいな顔。
…何だよ。なんか悪いのか。
「俺はただ…二人で泊まれる場所を探してるだけなんだけどな」
俺は、至って当たり前のことを言っただけなのに。
「あー…。…それは難しいですねぇ」
フロント係は、半ば呆れたようにそう言った。
やっぱり無理にでも、ベリクリーデに魔法を使わせて。
ベリクリーデもオレンジカードをもらっていれば、こんなことには…。
…だが。
何度考え直しても、あの時はあれが最善の判断だった。
そう思うしかなかった。
だって、まさか証明書の色によって泊まるホテルが違うなんて、誰も思わないだろ。
…こうなったら。
「ベリクリーデの証明書でも泊まれるホテルに行こう」
あのホテルマン、安いボロホテルにでも泊まれ、って言ってたよな?
ってことは、ちゃんと青カードでも泊まれるホテルが、何処かにあるのだ。
この際、ホテルのグレードなんてどうでも良い。
「もう少し頑張れるか、ベリクリーデ」
「うん。大丈夫」
強がってはいるけれど、ベリクリーデも多分、相当疲れているはずだ。
早く、今夜の宿を見つけなくては…。
俺達はしばらく、出来るだけ人気(ひとけ)の少ない方に、少ない方に歩いていった。
すると、ようやく。
外壁がところどころ剥がれ、掠れた小さな看板が立っているだけの、小さなモーテルを見つけた。
…ここなら。
「あのー…。すみません」
そっと玄関から入っていくと、フロントには、やる気がなさそうに頬杖をついたフロント係が座っていた。
「あぁ、どうも…」
「あの…二人なんだけど、部屋は空いて…」
「はいはい。部屋ならいくつでも…。…え?」
え?
フロント係は、びっくりして俺を見つめていた。
…俺を、と言うか…俺の首にかけた証明書を。
それがオレンジ色をしていることに気づいて、フロント係は飛び上がった。
そして、慌てて姿勢を直すではないか。
「これは、大変失礼致しました。魔導師のお客様ですね」
「…まぁ、そうだけど」
「本当に申し訳ございません。てっきり、『青カード』だとばかり…」
「…」
『青カード』だったら、あんな横柄な態度を取っても許される、と?
冗談じゃねぇ。
「でも…魔導師のお客様が、どうしてこんな宿に…?」
「こんな」って、自分のところのモーテルだろうよ。
「…俺はこの通りオレンジのカードだが、連れは青いカードなんでね」
「あぁ…。…そういうことですか」
やれやれ、みたいな顔。
…何だよ。なんか悪いのか。
「俺はただ…二人で泊まれる場所を探してるだけなんだけどな」
俺は、至って当たり前のことを言っただけなのに。
「あー…。…それは難しいですねぇ」
フロント係は、半ば呆れたようにそう言った。


