神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

…頭を捻って、考えているうちに。かれこれ一時間近く経過。

すると。

「大変お待たせ致しました」

「あ、どうも…」

魔導師証明書、なるものがようやく完成したらしい。

見たところ、それはオレンジ色のカードのようなものだった。

で、ネームホルダーまで一緒につけてくれた。

そのネームホルダーにカードを入れて、首から提げておかなければならないのだとか…。

「…え。いつも?」

「はい。外出する時は、必ず身につけるようお願い致します」

「…」

俺はてっきり、保険証みたいに、財布の中に入れておけば良いものと思っていたのに。

家畜標さながら、外出する時は必ずつけておかなければならないと。

しかも。

「これ…。みんな、魔導師はこのオレンジ色のカードを持ってるってことですか」

「いいえ。オレンジカードは、魔導師の旅行者のみに発行される証明書です」

オレンジカードって言うのな、これ。

「一般魔導師のキルディリア国民は銀色の証明書、一部の上級魔導師様のキルディリア国民は金色のカードが発行されます」

銀と金だと。なんて豪華な。

それじゃあ、俺のオレンジカードなんて、全然大したことないんだな。

…ん?それじゃあ…。

「…ベリクリーデ…。…いや、俺の連れみたいな、魔導師じゃないヤツは、何色のカードになるんだ?」

「非魔導師の証明書は青です。キルディリア国民だろうと、外国からの旅行客だろうと関係ありません」

さっきまで、あんなににこやかな態度だったのに。

非魔導師の証明書について話す時だけ、その職員はやたら無表情で、いかにもどうでも良さそうだった。

おいおい…。何だその態度の急変は。

ベリクリーデは青か…。

それにしても、魔導師の場合は旅行客かキルディリア国民かでカードの色を区別するのに。

非魔導師の場合は、自国の民であろうと、他国の民であろうと、関係なく全員青色なんだな。

そこはもうちょっと…。…せめてピンク色とかにしてやってくれよ。

青一色じゃ、どうも味気ない。

「ふーん…。…そうですか」

「証明書の色によって、受けられるサービスや利用出来る施設が変わるので、気をつけてくださいね」

「あ、はい…」

俺はこの時こう言われて、軽く流しただけだった。

この国において、魔導師証明書の色の違いが、どんな影響をもたらすか。

この後、嫌と言うほど思い知ることになる。