ベリクリーデがあまりにへろへろなので、その場で30分くらい落ち着かせて。
ついでに、携行していた酔い止め薬を飲ませた。
もっと早く飲ませれば良かった。
出来れば、すぐに横になれる場所に連れて行ってやりたかった。
だけど、まだこの国に来たばかりで、ホテルの手配どころか入国審査すら受けてない。
「…ふぇ〜…」
「…大丈夫か?」
即効性の酔い止め薬、持ってきておいて良かった。
薬を飲んだお陰か、それとも少し休んだお陰か。
ちょっと、顔色がマシになってきたな。
まぁ、陸地に着いたからかもしれないけど。
治るなら何でも良いよ。
「動けるか?まずは入国審査を受けないと…」
「…にゅーこく、しんさ?」
「パスポートを見せて、この国に来ましたよ、入っても良いですよ、っていう許可をもらうんだよ」
そうしなきゃ入れないからな。
「…でも冥界に遊びに行った時は、そんなことしなかったよ?」
「…そりゃ、冥界だからだよ…」
パスポートねーから。冥界。
あと、遊びに行くようなところじゃねーから。やめなさい。
「すぐに済むはずだよ。行こう。終わったらすぐホテルを探してやるから」
今日はもう、一日休んでた方が良いよ。
だいぶ顔色が良くなったとはいえ…。
それでなくても、慣れない船旅で疲れてるだろうし。
「だけど、すぐに…クロティルダを…」
「良いから。クロティルダだって、一日くらい待ってくれるよ」
具合を悪くしてまで探してもらいたい、なんてあいつも思ってないよ。きっと。
「さぁ、行こう。入国審査」
「うん」
よし。俺達はパスポートを手に、入国カウンターに向かった。
他の乗船客は、とっくに入国審査を済ませていたらしく。
遅れてやって来た俺達に、審査官は少し驚いたようだった。
「あ、すみません…。どうも」
「ようこそ、キルディリア魔王国へ」
それでも、その女性入国審査官は、人の良さそうな笑顔で俺達を迎えてくれた。
実はこの女性入国審査官は、シルナ・エインリーと羽久・グラスフィアを担当したのと、同じ人物だったのだが。
俺は知る由もない。
「遅くなってすみません…」
「いえいえ、良いんですよ。お二人分ですね」
と言って、俺とベリクリーデのパスポートを受け取った。
しかし、そのパスポートにはほとんど目を通さず。
その代わり、俺達に貴重な質問を投げかけた。
「失礼ですが、魔導師証明書はお持ちですか?」
「…は?」
「魔導師証明書です」
魔導師…。…証明書?何だそれは?
皮肉にも、俺とベリクリーデも、シルナ・エインリー達と同じように。
この国では、身分証明書よりもパスポートも遥かに大事な魔導師証明書のことを
全く知らなかったのである。
「えぇと…。すみません、ちょっと何言ってるか…」
「…お持ちじゃないんですか?」
えっ。
…さっきまで、あんなににこやかな笑みを浮かべていたのに。
あっという間に、その女性入国審査官から笑顔が消えた。
代わりに現れたのは、俺達に対する明らかな嫌悪感だった。
ついでに、携行していた酔い止め薬を飲ませた。
もっと早く飲ませれば良かった。
出来れば、すぐに横になれる場所に連れて行ってやりたかった。
だけど、まだこの国に来たばかりで、ホテルの手配どころか入国審査すら受けてない。
「…ふぇ〜…」
「…大丈夫か?」
即効性の酔い止め薬、持ってきておいて良かった。
薬を飲んだお陰か、それとも少し休んだお陰か。
ちょっと、顔色がマシになってきたな。
まぁ、陸地に着いたからかもしれないけど。
治るなら何でも良いよ。
「動けるか?まずは入国審査を受けないと…」
「…にゅーこく、しんさ?」
「パスポートを見せて、この国に来ましたよ、入っても良いですよ、っていう許可をもらうんだよ」
そうしなきゃ入れないからな。
「…でも冥界に遊びに行った時は、そんなことしなかったよ?」
「…そりゃ、冥界だからだよ…」
パスポートねーから。冥界。
あと、遊びに行くようなところじゃねーから。やめなさい。
「すぐに済むはずだよ。行こう。終わったらすぐホテルを探してやるから」
今日はもう、一日休んでた方が良いよ。
だいぶ顔色が良くなったとはいえ…。
それでなくても、慣れない船旅で疲れてるだろうし。
「だけど、すぐに…クロティルダを…」
「良いから。クロティルダだって、一日くらい待ってくれるよ」
具合を悪くしてまで探してもらいたい、なんてあいつも思ってないよ。きっと。
「さぁ、行こう。入国審査」
「うん」
よし。俺達はパスポートを手に、入国カウンターに向かった。
他の乗船客は、とっくに入国審査を済ませていたらしく。
遅れてやって来た俺達に、審査官は少し驚いたようだった。
「あ、すみません…。どうも」
「ようこそ、キルディリア魔王国へ」
それでも、その女性入国審査官は、人の良さそうな笑顔で俺達を迎えてくれた。
実はこの女性入国審査官は、シルナ・エインリーと羽久・グラスフィアを担当したのと、同じ人物だったのだが。
俺は知る由もない。
「遅くなってすみません…」
「いえいえ、良いんですよ。お二人分ですね」
と言って、俺とベリクリーデのパスポートを受け取った。
しかし、そのパスポートにはほとんど目を通さず。
その代わり、俺達に貴重な質問を投げかけた。
「失礼ですが、魔導師証明書はお持ちですか?」
「…は?」
「魔導師証明書です」
魔導師…。…証明書?何だそれは?
皮肉にも、俺とベリクリーデも、シルナ・エインリー達と同じように。
この国では、身分証明書よりもパスポートも遥かに大事な魔導師証明書のことを
全く知らなかったのである。
「えぇと…。すみません、ちょっと何言ってるか…」
「…お持ちじゃないんですか?」
えっ。
…さっきまで、あんなににこやかな笑みを浮かべていたのに。
あっという間に、その女性入国審査官から笑顔が消えた。
代わりに現れたのは、俺達に対する明らかな嫌悪感だった。


