神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

あのさ。ベッドの下に引きこもるのは、百歩譲って良いとして。

何でわざわざ俺の部屋のベッドに潜り込むんだ?

自分の部屋のベッドに潜れよ。

ベリクリーデはいきなり、しょんぼりしながら俺の部屋に入ってきたかと思うと。

何も言わずに、俺のベッドに直行。

俺のタオルケットを頭から被って、俺のベッドの下に潜り込み。

そこでモグラみたいに、もぞもぞと引きこもって出てこなくなった。

自分の部屋でやれよ、と言いたいところだが。

…良いよ、もう。

普段からベリクリーデの奇行に慣れ過ぎて、今更この程度じゃ何も感じなくなってきた。

完全に、感覚が麻痺してるな。

それに…最近は、「奴」のせいで余計に…。

…すると。

「よーっす。ジュリスー。邪魔するぞ」

「シュニィさんからお知らせが配られたので、持ってきましたよ」

俺の部屋に、キュレムとルイーシュが訪ねてきた。

おぉ…。お前ら、最近よく見るな…。

キュレムは、俺にお知らせの用紙を手渡してきた。

「あぁ…ありがとう。悪いな…」

「報告書を提出しに行ったついでだ。気にしなさんな」

「そうか」

すると、その時。

ベリクリーデが動いたのか、ベッドがミシッ、と音を立てた。

その音に、キュレムはびっくりして反応した。

「…うわっ!?今、なんか動かなかったか!?」

「ジュリスさん、ベッドの下にコモドドラゴンでも飼ってるんですか?」

「…飼ってねーよ…」

ただのベリクリーデだよ。

人の気配を感じたのか、ベリクリーデはもぞもぞしながら、ベッドの下から亀みたいに、ひょこっ、と顔を覗かせた。

「おっ、ベリクリーデちゃんだ」

じー、とキュレムとルイーシュを眺めたベリクリーデ。

「…」

そのまま、何も言わずに、ひょこっ、と亀みたいに頭を引っ込めて戻っていった。

「あ、引っ込んだ」

「亀ですね」

…まったくだよ。

一体何をやってんだか…。…つーか出てきなさい。

「どうしたんだ、ベリクリーデちゃんは…」

「落ち込んでんだよ、あれで…」

「成程…そうなのか。可哀想になぁ」

と言って、キュレムはベッドの傍に行って、しゃがみ込んだ。

「ジュリスのエロ本が熟女モノだったからって、そんな落ち込むなって」

「おい」

ちょっと待て。何だそれは。

濡れ衣にも程がある。