正しくなれない(仮題) <シナリオ形式>

◯東京の片田舎 中学校の体育館・1学期の始業式

文字「t.l.およそ2年」

全校生徒の図

一年生の中にに白髪で色白の男子が一人居る 目立っている
野暮を絵に描いたような女子生徒も居る

二年生 全体的に活発

三年生 不良 他

入口付近、背の順で後ろの方の二年生の女子が

木原みほ「1年生最悪ー」

八頭(やつがしら)あすか「やだーあれ
デブ ブサイク いいとこ無し」

木原「でしょ?
ありえないー」

木原と八頭が、とある一年生の女子生徒を揶揄している

先生「各学年ごとに…整列して下さい」

先頭の方へ

小田ヒロシ「やっべ今年からM先抜き」

山口ヒデ「あはは」

K先生「静かにーー」

上松まりあが寂しそうに大林に呟いた

上松まりあ「大林君確かB組だよね、また同じクラス…

上松まりあが密かに決意したように

上松まりあ「私たちって
腐れ縁だよね」

空気

大林コウ「そうだね」

大林が横目でちらっと小泉いくえの方を見た

K先生「静かにー」

N先生「それでは、平成〜年度1学期、始業式を始めます
気を付け 礼!」

N先生「新学年のお知らせが有ります
去年度離任されたM先生に代わってA先生が新任でいらっしゃいました
A先生の挨拶です」

ジャージ姿のA先生がすたすたと前へ出る

A先生「皆さんおはようございます
初めまして かな 新任のAです
教える科目は体育!?でなく、理科の二分野 ですね
よろしくお願いしまーす」

N先生「A先生ありがとうございました」

生徒たち くすくす笑っている

N先生「それでは、校長先生の言葉」

背の高いスーツ姿の校長が厳かに前へ出た

校長「うーん
君たちは、何故 勉強するのか分かるかい? 例えば人間には色々あって今

校長、神妙な面持で話し始める

「そう今なんだよね、大切な事を分かってゆく」

生徒たちが一瞬しーんとしている

校長「分かってゆく、そう分かってゆく為にも

校長咳払いをし、

「例えば、どこに何の国が有る とか新聞に書いてあるこの漢字は何て読む、とか
基本的な事を知っていると役に立つ。そう役立てるため なんだよね」

生徒たちお互いを見合うような形
校長少し考え込んでさりげなく

「ぼくが偉そうな事を言う時は、ちょっと本気の時で」

校長うつむき加減で

「それは、この世界で大変な事が起きている」

校長少し前を見回して

「君たちもニュースや何かで嫌な事件や戦争の話
目にする時、あると思うけど…
いい事もあるよね それに」

生徒たちうなづいたり
校長少し考え込んで

「僕が、世界から無くしたい事、これから3つ言うね、覚えて帰ってもいいし」

考えながら指を折り折り

「うーん 戦争 差別 不自由
この3つなんだよね、これは僕の意見なんだけど」

生徒たちふわっと多少ざわつく

後方背の高い陽キャ二人

小泉いくえ「意見って何言ってもいいの」

八ッ頭あすか「本当?」

校長「僕はね
ちょっと長い話になるけれど

校長決意したように

校長「僕は幼い時の熱で、多少体が不自由なんだ
聴こえが悪いって言うかね

でも多少人一倍の努力で
つまりは勉強に時間をかけるとか
一生懸命に人の言う事を聞くとかで
なんとか周りに追い付く というか」

一同しんと静まり返る

「努力する事は大事って皆んな言うけどね
本当に大事なのよって うーん
いまいちよく分からないかな未だ

こういう時に
君たちは若いからっていう風には
言いたく無いんだけどね どう?
努力のススメ」

大林が手を挙げる

大林「先生」

校長「ん? いいよ(なに)?」

大林「努力って どんな形でも?」

校長「参ったな うーん

例えば学校へ来る
何でもいいんだよね やっちゃいけない事って無い!
ただ後々課題がちゃんと残ります
なーんて言うと他の先生に怒られちゃうかな
でもね、やっちゃいけない事って実は沢山あるの
矛盾してるかな 例えば戦争 さっきね ごめんね何度も」

大林「ううん」

校長「他に(なん)か有る? 他の人でも」

N先生「じゃあ 一旦いいかな
大林君は、座ってもらって」

大林「ありがとう、ございます」

大林 校長にペコリとお辞儀をして また座る

N先生「他に何か有る人ー」

周囲を見回す

N先生「それでは、学年主任のY先生の方から何か有りますか?」

Y先生ジェスチャーで特に無しのポーズ

N先生「では最後に教頭…先生でいいかな
各クラスの担任のお知らせになります
よろしくお願いします」

教頭先生「クラス担任の発表に移ります
まず3年生から…A組、」

教頭先生の発表のバックで三々五々


ナレーション「そして僕らの戦いが始まった


人は本当は 優しい

この事を、
覚えて おかなきゃ

覚えて」