「すいませーん!忘れ物したんですけども!」



 図書室のドアを大きく開けて、大声を出した。

 あっ、そう言えば図書室では静かにしないといけないんだった。

 慌てて口を手に当てて、周りをキョロキョロ。

 よし、誰もいない!

 確認ができたところで、さっそく妄想ノートを探し始めた。



「ノートさーん、どこにいるんですかー?」



 本棚・机・椅子・カウンターと、なんならゴミ箱まで探してみた。

 けれど、全然ないんだよ!?

 もともとノートを置いていったはずの場所を見たけど、跡形もなく消えていた。

 でも、そんなことありえないはず。

 図書室を使ったのは、6時間目の国語の授業の時。

 今日は掃除がなかったし、放課後に図書室を使う人なんてほとんどいない。

 図書委員の人も、さぼってて誰もいないし。

 ままま、まさか……幽霊が持っていっちゃった!?

 い、いやいやいや、絶対そんなこといないよね?

 第一、幽霊なんてそんな非科学的なものは存在しないんだし……。



___バサッ___



「ぎゃーーー!」



 音がした瞬間、力の限り叫んで、その場にうずくまった。