これでも私は女の子なんですから!

 そんな事を言うのは、最低なんだぞ!



「もう、知らない」



 私は怒って、お弁当を持って屋上から出ようとした。

 すると、後ろから片方を肩を掴まれた。



「なんだよ、怒って」

「女の気持ちがわからない海なんか、知らないもん!」



 私は本当に怒ってるんだから!

 たとえどんなことをしても、許してあげないんだから!

 ため息をする音が聞こえた。

 ため息したいのはこっちなのに!



「雛、こっち向け」

「なに?私は、今怒って……ムグッ!」



 海くんの方を向いた瞬間、口の中に何かが突っ込まれた。



「それやるから、怒んなって」



 卵焼きだった。

 甘くて美味しい!

 思わず口元が緩み、そんな私を見て海くんはニヤリと笑った。



「うめぇだろ」

「美味しいけど、まだ怒ってるからね!」



 卵焼きで機嫌が良くなるくらい、私は甘くないんだから!



「えぇ、ならどうしたらいいだか。もう俺のおかずそんなねぇぞ」

「おかずで許してもらえると思わないでよ!」