な、なんだろう。
思わず身構えると、海くんは私に腕時計を見せてきた。
「雛さ、そんなにゆっくり歩いて大丈夫か?今、8時15分で、あと5分でSHLが始まるんだけど」
へ?
「こっからあと1kmぐらいある学校に、その足で着けるのかよ。まぁ、俺は余裕だからいいんだけどな」
「うそ!?」
腕を掴んで時計をよく見ると、本当に8時15分だった。
ち、遅刻まであと5ふん……。
「は、走ろう!」
「はいはい、雛ちゃん」
海くんが私の保護者みたいな態度を取っているけど、そんなの無視無視!
私達2人は、猛ダッシュして学校に向かった。
***
あれから、私達はなんとか学校に着いた。
1分前に着けて、本当に運がよかった!
今はお昼で、海くんと屋上で昼ごはんを食べている最中。
「雛、朝の息切れすごかったよな。俺はあんなん余裕だったけどな」
「あのね、海くんみたいな運動バカと一緒にしないでよ」
「なんだとぉ!」
怒鳴っているけど、全然怖くない。
むしろ、可愛いと思っちゃうくらい。



