「ここは、公式を使った方が速く解けますよ」
「なるほど」
誰もいない、静かな図書室の中に、私と如月くん2人だけ。
お願いは、『私に数学を教えること』にしたの。
なぜかって言うとね、もう少ししたら定期テストなの。その中で、私は数学が1番苦手で、毎回赤点ギリギリ……。
今度もヤバいから、頭が良い如月くんに、教えて貰おうと思ったんだ。
如月くんは、ビックリすることに、毎回成績が一位みたいなんだよ。
すごいよね、尊敬尊敬。
「如月先生授業はわかりやすいですねー!」
おちゃらけて言うと、彼は苦笑いを浮かべた。
「先生って。僕はそんなにすごい人なんかじゃないですよ」
「それはない!」
首をぶんぶん振った。
振りすぎてちょと頭がくらくらするぐらい。
「だってさ、如月くん頭良いし、忙しいのに生徒会長してるし、誰に対しても優しいでしょ?それにカッコ良いし」
気づけば、どこぞのオタクみたいにペラペラと喋っていた。



