何々何々!?ま、まさか本当に幽霊が?

 私はゆっくりと、音のした方を見る。するとそこには、探していた妄想ノートが!

 あ、あんな所に落ちていたなんて。

 取りに行きたいけど、さっきあそこで音がしたばっかりだし……。

 かと言って、そのままにして誰かに見られるのも嫌だ。

 頭の中での討論の末。



「な、なにも出ないよね?」



 行くことになりました。

 そろーり、そろーり、忍足。

 忍者のごとく、私は音を立てないように近づいた。

 一歩一歩近づいていって、ついにノートに手が届く距離に来た瞬間。



「誰ですか?」



 え?

 私のノートが、ひょいっと盗られた。

 顔を上げると、そこには。

 せ、生徒会長?

 センター分けの茶髪で、丸メガネをかけていて、めちゃくちゃが付くほど顔が整っているイケメンさん。

 確か、如月雪華(ゆきか)って名前だったはず。

 名前の響きが綺麗だから、印象に残ってるんだよね。

 クラスが違ったから、こうして直接会うのは、初めてだ。



「さっきから悲鳴が聞こえて何事かと思ったのですが……どうしたんですか?」