「遅刻する〜〜〜!」



 私、天宮雛(あまみやひな)

 肩ぐらいまである茶髪で、毛先がパーマなのが自慢なんだ!

 えぇっと、只今絶賛遅刻しそうになっちゃってるんだよね。

 これ、ちゃんと理由があるからね?

 今日提出の宿題を昨日やり忘れてさ、夜中頑張ってやってたら寝坊しちゃってたんですよ。

 アハハ、私ったらうっかり。

 って、そんなことより早く行かないと。

 急いで階段を降りようとした途端、足をツルッと滑らした。

 そのおかげで、見事に軽く宙に浮き、そして。



「ひえ〜〜〜!」



 お尻をゴンゴンッと階段に当てながら、一階に降りるような形になってしまった。

 おかげでめっちゃ痛い!これ、絶対アオジになってるやつ。

 でも、今はそんなことを気にしている時間がない。

 身体に鞭を打って、玄関のドアを勢いよく開けた。



「い、行ってきま〜す!」



 もう、海くんは先に行っちゃったかな?

 キョロキョロと周りを見回してみるも、誰もいなかった。

 まぁ、今日は私が遅かったしね。寝坊してたし。

 仕方ない、1人で行くか。