中学3年の秋。私は君に恋をした。
 君は全校生の前で堂々と歌っていた。そんな姿がかっこよくて、私にとっての一番なんです。

 今まではただの友達だった。私は君のことをなんとも思っていなかった。だけどその日君が一番かっこよく見えた。今まで友達だったから普通のアプローチだったら何も気づいてもらえない。そう思って、
「好き!一番好き!かっこいい!付き合って!」
「…………………」
こんなことを毎日続けて2月の終わりには8回告白して全敗という記録でいる。友達とは
「そこまでのアプローチというかストーカーというかされて可哀想だね。」
「私が?」
「相手がだよ。」
「でもそれは〜凪くんがかっこいいのがだめだね。」
「暴論おつー」
こんなこと言われたり
「でも優香はダメ男に引っかかりまくりじゃん」
「はぁ?ふざけんなよ」
「いたって真面目です。」
親友の優香はダメ男に引っかかってまくりの奴だ。最近そのダメ男と仲良くなりすぎて友達みたいになったそうだ。それを聞いて結構安堵した。
 そして私の好きな人は木下凪くんだ。凪は勉強も運動も普通だけどすごく優しい。普通の男子と一緒で「クソが、死ね、カス」とかは使うけど行動は優しい。けど私がストーカー行為を繰り返すせいでその優しさが消えた。まあ仕方がない。
「あ、凪だ。」
「凪くん!?」
1階の廊下を歩いている凪を発見!!!
一直線に凪の方へ走っていく。凪はそれに気づいたようでこっちを見て全力で逃げる。
「凪ぃぃぃぃぃ!!!!!」
「まじで来んな!!」
こんなことを毎日繰り返していた。