モデルなんてできません

これは喜ぶべき事だよね?
京介くんの夢が叶うのだ
でも一年もいなくなっちゃって私は?

京介くんの夢を素直に喜びたい気持ちと、京介くんと離れるの?という二つの気持ちが入り混じり、私は複雑な気持ちになるのだった

............


次の日、京介くんにどう声をかけていいか私は迷っていた
昨日の夜あまり眠れなかった私
アメリカ行きのことが頭から離れなかった

起きて最初に口を開いたのは京介くんだった
「おはよう。昨日お酒飲みすぎて、俺昨日何か言った?」
京介くんは何も覚えていないようだ

「言ってたよ。今度アシスタントからプロのカメラマンになって、来月からアメリカに行くって」
私は昨日京介くんの口から聞いたことの一部始終を話した

「俺そんな事まで言っちゃったんだ」
ちょっとバツの悪そうな京介くん

「来月から行くんでしょ?アメリカ?」
私は話の真相を聞いてみた

「うん。行きたいと思ってる」
そっか、やっぱり本当の話なんだ
京介くんの最高の門出なのに素直に喜べない私

「夏樹も一緒に行かない?アメリカ?」
不意に言われて私は少し驚いてしまう
まさか普通に言われるとは思ってなかった
でも一緒に行こうと言われて嬉しくないわけじゃない

「私は、、?ごめん。そんなすぐには決められないよ。少し時間が欲しい」
私は正直な気持ちを伝えた

「俺は一緒に行って欲しいよ。でも夏樹の人生だから、ちゃんと決めて欲しい」
京介くんから真面目に言われて、私は少し驚いてしまった

「うん。ちゃんと考えます」
‘行く‘と即答できない自分がいた


とりあえず私はバイトに行く事にした