モデルなんてできません

帰る時に‘折角みんなで来てくれたんだから送ってくれば?‘と京介くんに言われ、私は‘駅まで送る事にした

送りながらお母さんが、‘あんたに昔から専業主婦になりなさいって言ってきた事、お母さんなりに後悔してたの‘とポツリと言った
お母さんの意外な言葉に私は驚いてしまう
‘今は夫婦共働きの時代なのに、あんたはあんたなりにやりたい事があったのに、家事して夫を支えろなんて、今時古かったなって。早く結婚しろ結婚しろって結婚を急かして、それも良くなかったなって。今日久しぶりにあんたを見て、幸せそうで安心した。相手が若いと気苦労が絶えないだろうけど、あんたが幸せならいいわ。2人で頑張って暮らしなさい‘
お母さんに労いの言葉をかけられるなんて思ってなかったから、私は驚いてしまった

「まあ姉貴がまた捨てられたら、実家に戻ってきていいから」
雄介が皮肉たっぷりに言うから、‘あんたは黙っててよ‘と言い返したけど、雄介なりに姉に気を遣ってるんだなと心が温かくなった
‘父さんも何も言わないけど、夏樹はどうしてるんだ?っていつも煩いからさ‘とも付け加えられた

私気にされてたんだ 
てっきり結婚に失敗して仕事も辞めて呆れられてるだけだと思ってたのに 
家族の意外な言葉に私は胸がジーンとなった

‘今日は来てくれて有難う‘
私は心からそう言えた

‘何かあったら連絡くらいしなさいよ‘とお母さんに言われたから、‘うん。たまには連絡する‘と私は答えた

駅まで見送って、私の両親は帰って行った