モデルなんてできません

「それは違うよ。原因は僕だったんだよ」
護さんは静かに衝撃的な言葉を発した

「えっ？でも沙耶は私に護さんの子どもができたって、、？」
私は聞かされていた事実をそのまま口にする

「沙耶の子は僕の子どもじゃなかったんだ。僕には生殖能力がなかったんだよ」
私は信じられない気持ちになった
‘沙耶と結婚してから調べたんだ‘と護さんは続けた
私が何と言っていいか分からずにいると、護さんはまた言葉を続けた

「一年前に分かったんだ。怪我をして、生まれた子の血液検査をしたら、僕と沙耶の子なら生まれてくるはずがない血液型だった」
護さんは苦笑しながら淡々と話す

私は驚いて目が点になってしまった

「それで沙耶を問い詰めたら、泣いて僕の子じゃなかったって言われたんだ。言ったら僕に別れを切り出されると思ったからと泣いて詫びられたよ」

‘そうだったんだ、、じゃあ沙耶とは？‘

「今も一緒にいるよ。生まれた時から僕の子どもだと思って育ててきてるし、何より沙耶に僕と育てたいって意思があったから」
‘そうなんだ。そういうところ護さんらしいね‘
私は思い返せば護さんはそんな人だったなと思い出していた
優しくてお人好しで頼まれると断れない人　
私は護さんが変わってないことがどこか懐かしくて嬉しかった