モデルなんてできません

レストランはフランス料理のフルコースだった

‘ほんとこんな料理滅多に食べないよ‘
私は緊張しすぎて味もわからないくらいだった
美味しい料理なのに勿体無い
私は申し訳ない気持ちになった

「夏樹はお酒飲む?」と言われたから、「あんまり?ビールとか酎ハイとかをたまに買って飲む程度で、、」と申し訳なさそうに答えた
我ながらオヤジみたいだ
私は恥ずかしくなった
「じゃあワイン一杯くらい平気かな?」と言って、京介くんは手慣れた感じでワインを頼み始めた

普段飲みなれないワインを飲んだ私
その途端、、フワフワ〜っとして、私の記憶は飛んでしまった

..........

気づくと私は誰かの背中にいた

心地よくて、あったか〜い

フワフワしてあったかくて、夢の中にいるみたい

でも次の瞬間私はふと我に返る

ん?背中?私はなんで背中にいるんだ?

私はレストランで食事してたはずじゃ??

ん?京介くん?もしかして私京介くんにおんぶされてる?
私は我に返った
「ご、ごめんなさい、、。私寝ちゃってた」
「あっ!起きた?」
‘大丈夫?‘と言って京介くんが私をおんぶから下ろす

「ごめんなさい。私ワイン飲んだら記憶が飛んじゃって、、」  
「こっちこそごめん。まさか夏樹がそこまでお酒弱いと思わなくて、、」
京介くんは申し訳なさそうだ
「京介くんのせいじゃないよ。私昨日殆ど寝てなくなて、、今日一日ずっと緊張してたから、ワイン飲んだら緊張の糸が切れたんだと思う」
私は目覚めたばかりでまだ頭がぼーっとしていたせいか、つい本当のことを言ってしまった
「そんなに緊張してたんだ。昨日寝てなかったのも、、ごめん。気づかなくて」

‘あっ!やばい本当のこと言っちゃった‘
そう思った時には時すでに遅し、私は言ってしまったことを後悔する

「京介くんといると、初めてのことばっかりで、ドキドキして緊張して、自分が自分じゃなくなるみたいで、、京介くんは私にはキラキラしてて眩しくて、今も夢の中にいるみたいだよ」
やっぱり私まだ変だ
お酒のせいかいつもみたいに誤魔化せない

私が下を向いて俯いていると
京介くんの顔が近づいた
そして顎を持ち上げて
私にキスをした
「これで現実味が湧いた?」
そしてまた私達はキスをした

やっぱりこれは夢だ、、。夢なら覚めないでほしいな

そう私は強く願った